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リオは早くも厳戒態勢=軍警は休み返上で警備に=警官との抗争の死者59%増

 公共治安研究所(ISP)が2日にリオ市では第1四半期に殺人や強盗などの犯罪が増加と発表した事を受け、ジョゼ・マリアノ・ベウトラメ州保安局長が、W杯向けの厳戒態勢を前倒しで導入すると発表したと3日付伯字紙や2、5日付G1サイトなどが報じた。
 ISPによると、殺人事件は13年の1197件から1459件にと21・90%増え、警官との抗争事件や警官に抵抗しての死者も96人から153人に59・40%増えた。3月の強盗殺人は昨年より2件減ったが、2月は昨年の6件から16件に急増した。
 また、車を狙った強盗事件が6111件から9209件に50・07%増えた他、積荷強盗が856件から1388件に62・15%、歩行者を狙った強盗・窃盗も1万6197件が2万3675件に46・17%増えた。レストランなどの商業施設を狙った強盗事件は85%増えたという。
 一方、盗難車の回収率は4647台から6864台に47・7%、麻薬や武器の押収率は各々12・4%と9・1%向上した。犯罪者の検挙率も改善している。
 最近のリオで特に気になるのは、今年に入ってから増えた治安維持警察隊(UPP)襲撃事件やUPP設置済みのファヴェーラでの抗争事件増加だ。専門家の中には、警官との抗争事件での死者増加は、UPP警官も含め、相手の素性や動向を確認する前に相手に発砲する傾向が再び見られるようになった可能性ありと懸念する人もいる。
 暴力犯罪増加を受け、ベウトラメ州保安局長は2日、5月5日以降、軍警2千人の休日を返上して警備に当たらせるというW杯時の治安維持案の前倒しを発表した。
 同局長によると、UPP配属の警官は武器使用や巡回の方法などの特別訓練を受けており、外部から連れて来た警官や兵士の増員だけでは本来のあり方が保てないため、訓練済みの軍警を警備強化に当たらせるという。
 また、ルイス・フェルナンド・ペゾン同州知事は、UPP襲撃に関わった犯罪者達を連邦管理の刑務所に移送する事も要請しているという。
 なお、エドゥアルド・パエス市長も2日、W杯中はマラカナン・スタジアムへのチャーター車での観客送迎を禁止する事や、同スタジアム周辺道路での酒類販売禁止などの治安対策を発表した。