ホーム | コラム | オーリャ! | オーリャ!

オーリャ!

 和歌山県知事と11人の県議ら公式訪問団が、県人の多い南麻州ドウラードスを訪れた。3日にわたる盛りだくさんの記念行事は全て滞りなく行われた―ように見えたが、そうではなかった。
 午前10時台に出るはずだったサンパウロ行きの帰りの便が突然「3時間遅れ」に。昼食後、3時間後に空港に戻ったが機体は到着していなかった。疲労を隠せない様子の一行を乗せた飛行機が出発したのは、結局午後4時台のことだった。
 これを特に「あり得ないこと」とは思わなかった当地在住4年目の記者は、見送りに来た現地の移住者に「よくあることだから、仕方ないですよね」と共感を込めて言ったつもりだった。
 すると「こちらでは普通ですけど、日本の人にとっては普通じゃないですからね」と冷静に返された。移住60年のこの人を前に、思わず自分の発言を恥じた。(詩)