記録的な少雨、干ばつに悩まされているサンパウロ州で、水運も止まる可能性が出てきたと6日付エスタード紙が報じた。
6日のカンタレイラ水系の水量は9・8%まで落ち込み、15日からのデッドボリューム(取水口より下にあり従来は利用不能だった部分の水)汲み上げは不可避だ。
4月30日付エスタード紙によれば、南東/中西部の水力発電所のダム貯水量回復は38・16%に止まった。連邦政府は乾季となる5~11月のダム貯水量確保のため、バイア州ソブラジーニョやミナス州トレス・マリアスといった発電所に適用したダム放水量削減を他の一級河川の発電所にも適用する意向だ。
州管理の河川の発電所も含む放水量減少は、発電量減少や下流の川の水量減少も意味し、灌漑や水運、生活用水確保といった面での影響も招く。
農業界では少雨のために果物の実が小さい、野菜等の灌漑用水確保が困難といった影響が報告されている。サンパウロ州では、大豆やセルロース、エタノール、木材等、年600万トンの物資をサントス港に運ぶチエテ―パラナ水路の貨物船が停滞する事態も発生した。
同水路にあるトレス・イルモンス発電所ダムの水位は32%で、従来通り放水すればチエテ川の水位が下がり、貨物船の積載量減少や航行停止という事態を招く。また、ノヴァ・アヴァニャンダヴァ発電所ダムの水位も31%と低く、連休中、計8千トンの大豆積載のLCD社の船2隻と計2万トンの大豆を積んだ他社の船5隻が、トレス・イルモンスの放水量削減で水位が回復するまで2日間待たされた。
同水路の貨物積載量は平均6千トンだが、水位低下で30%削減されていたものが7日からは更に5%削減される。水運減少は陸運増加と送料高騰を招くため、輸出減少にも繋がりかねない。
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