4月30日の国家電力庁(Aneel)の発表によると、4月10日現在、W杯会場となる12都市での電気工事が完了したのは3都市のみ。半数に遅れが見られ、スタジアムの電力供給に不安が残るところさえあると7日付伯字紙が報じた。
国家電力庁の文書は、11年10月に電力供給会社が提出したW杯向けの電力供給拡大、改善の工事計画の進捗状況などを確認したものだ。
フォーリャ紙によると、全12都市での工事計画160件で完了したのは62%。11年提出の工事計画全て完了は、レシフェ(ペルナンブッコ電力公社)、ナタル(リオ・グランデ・ド・ノルテ電力公社)、フォルタレーザ(セアラ電力公社)の3都市で、計12の工事が完了した。
サンパウロ市(エレトロパウロ)は、エスタード紙が工事終了とするものの、フォーリャ紙は六つの工事が未完了で遅れが目立つとしている。
エ紙が工事終了とした都市にはリオ(ライチ)とサルバドール(バイア電力公社)も含まれ、額面通りなら半数の都市で電力供給の不安が解消した事になる。
一方、スタジアムそのものの電力供給にも懸念が残るとされた南大河州ポルト・アレグレでは、13年4月完了の筈の州電力会社(CEEE)のメニーノ・デウス変電所の工事が、建材調達等は85%終了しても、建設そのものは42%終了したのみ。同公社の工事は22件中8件が完了又は実施中だが、公社側はこの8件で電力供給は確保出来るという。
未完了の工事が13件あるとされたパラナ州クリチバのパラナ電力公社は5月中に全て完了と約束したが、13件中3件はスタジアムの電力供給に関わるもので、一抹の不安を残している。
マナウス(アマゾナス電力公社)では12年末完了予定のセリンガル・ミリン変電所拡張工事が8割のみの完了で、完成予定は5月に延びた。
ベロ・オリゾンテ(ミナス・ジェライス電力公社)も7件の工事が遅れているが、同公社はW杯開催には影響しないとしている。クイアバ(マット・グロッソ電力公社)では、唯一残った工事も90%まで終わり、5月中に完了の見込みだ。
連邦直轄区(ブラジリア電力公社)は全ての工事完了というが、国家電力庁は最初の配線に問題が起きた時の予備用にスタジアム地下に埋めた配線が一部未完了としている。
他方、1日付エスタード紙等によると、通信省が4月30日、サンパウロ市のアレーナ・コリンチャンスやベロ・オリゾンテのミネイロン、クリチバのアレーナ・ダ・バイシャーダ等6会場ではWi‐Fi用設備に不備があり、インターネット接続等に問題が生じる可能性があると発表している。
国際サッカー連盟のバルク事務局長は6日、国際オリンピック委員会代表と記者会見し、「W杯準備は問題山積で、ここ数年間はブラジル政府との関係で地獄のような日々を過ごしてきた」と嘆息。リオ五輪関連では5日、工事の90%は未完成で最も準備が遅れていると指摘されている。ロンドン五輪の2年前の工事完成度は60%だった。