レナン・カリェイロス上院議長は7日、ペトロブラス問題と共に、サンパウロ市と連邦直轄区での地下鉄カルテル問題に関しても上下両院合同の議会調査委員会(CPI)設置を命じた。前者はジウマ大統領、後者は大統領選での有力対立候補のアエシオ・ネーヴェス氏を擁する民主社会党(PSDB)の泣き所となりうる問題だが、共に両院合同のCPI設置となった。
ペトロブラスのCPIは、2006年に承認されたパトロブラスによる米国のパサデナ製油所買収が不当に高い額での買い物となった件で、当時の経営審議会議長をつとめていたジウマ官房長官(現大統領)が買収を了承したことが発覚したことで、3月にPSDBをはじめとする野党側が求めたものだった。
ジウマ大統領や労働者党(PT)はペトロブラスのみのCPIは統一選での大統領やPT叩きに利用されるだけだと判断し、PSDBが抱える地下鉄カルテル問題と、もう一人の大統領候補のエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)がペルナンブッコ州知事時代に抱えたスアペ港の汚職問題との統括CPIにするよう求めた。だが、最高裁のローザ・ウェバー判事は4月24日、上院のCPIはペトロブラスのみにするべきとの判断を下した。
上院のCPIは6日設置のはずだったが、レナン議長は7日の本会議で合同CPI設置を審議することにした。
この会議で、PT上院リーダーのウンベルト・コスタ上議は、グレイジー・ホフマン前官房長官が用意してきた「ペトロブラス問題に関するCPIは上院のみにならないか」との質問を読み上げた。「合同CPI設置というが、最高裁の判断はあくまでも上院のCPI設置に関することだったはずだ」とコスタ上議は語っている。上院だけにCPIが絞られると、13人で構成されるメンバーのうち野党側は3人のみとなり、連立与党側が圧倒的に有利となる。
しかし、与党の一部と野党が合同CPI設置との判断を勝ち得たため、レナン議長は各党のリーダーに今週中にペトロブラス問題に関する合同CPIのメンバーを指名するよう求めた。レナン議長はCPIのメンバーは5回の本会議で決める意向で、それまでに決まらない場合は、さらに3回の会議を追加して決めることになる。
一方、ペトロブラスの合同CPI設置が避けられないと見た与党側は、地下鉄カルテル問題専門のCPI設置を議会に働きかけた。与党側が7日までに下院191人、上院32人の賛同を集めたため、地下鉄カルテルに関しても両院合同のCPI設置が決まった。
地下鉄カルテルでのCPI設置に関し、野党側で唯一賛成票に票を投じたのはアエシオ氏だ。アエシオ氏はこの問題に関し「カルテル問題は何年も前からあったというなら、PTももっと早く調べればいいじゃないか」と、連邦政府側の行動の遅さを皮肉った。だが、同氏の副候補に有力視され、この問題への関与も噂されているPSDB上院リーダーのアロイージオ・ヌーネス氏はCPI設置に消極的だった。