60年代のエリス・レジーナとの共演などで知られる歌手、ジャイール・ロドリゲスが8日、サンパウロ州コチアの自宅で急死した。8日付伯字紙サイトが報じている。
1939年サンパウロ州イガラパーヴァ生まれのジャイールは50年代末から歌手活動を開始。62年のサッカーW杯チリ大会のテーマソングとなった「ブラジル・センサショナル」「マレシャル・ダ・ヴィットーリア」を歌い、話題となる。
1965年にジャイールは、当時新人歌手として出てきたばかりのエリス・レジーナとの共演ライブ・アルバム「ドイス・ナ・ボッサ」を発表した。この作品は大好評となり、勢いをえた2人は当時最大のテレビ局だったレコルデ局の音楽番組「オ・フィーノ・ダ・ボッサ」に出演、茶の間の有名人となった。
翌66年、ジャイールに歌手人生史上最大の瞬間が訪れた。当時、最大の影響力を持ち、ブラジル音楽界に残る大物を次々と生み出した音楽コンテスト番組「フェスティバル・デ・ムジカ・ポプラール・ド・ブラジル(MPB)」に、ジェラウド・ヴァンドレ作の「ディスパラーダ」で参加。この曲はシコ・ブアルキ作でナラ・レオンが歌った「ア・バンダ」と優勝を争い、同点優勝を飾った。60年代末までブームとなったこの番組の中でも、この優勝争いは視聴者の記憶に最も強く残ったものとして語り継がれている。
ジャイールはその後も70年代にサンバ、80年代にはバラードでヒットを飛ばし、近年ではセルタネージャも歌うなど多彩な活躍をした。また、リズミカルで語るような独特な歌唱法はブラジルにおけるラップの先駆けと評価する声もある。
また2人の子供であるジャイール・オリヴェイラ、ルシアーナ・メロも歌手になっている。
ジャイールは8日、自宅のサウナ室で亡くなった状態で発見された。8日午後3時現在、死因はまだ判明していない。
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