パラナ州の連邦地方裁判所は8日、ペトロブラスと同社の元理事で現在はラヴァ・ジャット作戦に関与したとして逮捕されているパウロ・ロベルト・コスタ容疑者に対し、ペルナンブッコ州のアブレウ・エ・リマ製油所の契約に関する銀行口座の公開を求めた。このときの契約でラヴァ・ジャットの主犯、アルベルト・ユセフ容疑者の企業に賄賂が行き渡った疑いが持たれている。9日付伯字紙が報じている。
パラナ連邦地裁のセルジオ・モロ判事が求めた口座の公開は、2009~13年のアブレウ・エ・リマ製油所の契約に関する金の動きを解明するためのものだ。
アブレウ・エ・エマ製油所の建設は2007年にはじまったが、当初の予算額20億米ドルが今日では180億米ドルに膨れ上がり、水増しなどの不正が疑われている。モロ判事が問題視したのは、ペトロブラスがコンソーシオ・ナシオナル・カマルゴ・コレア(CNCC)と行った契約だ。
CNCCとの契約は5億9100万レアルで結ばれたが、連邦会計検査院(TCU)は、このうちの2億800万レアル~4億4620万レアルが水増し請求の可能性があると見ている。
CNSSは下請けとしてサンコー・セルヴィッソスとサンコー・シデールの2社と6980万レアルの契約を交わしているが、この2社からは、ユセフ容疑者が所有する架空企業であるMOコンスウトリアに2600万レアルが渡っていた。この金はMOコンスウトリアから、保健省との不正契約疑惑のあるラボジェン・キミカ社や、インドゥストリア・ラボジェン、ピロキミカに渡ったとされている。
モロ判事はペトロブラスに20日以内に口座の動向に関する情報公開をするよう命じた。同判事の見解によると、この件でのペトロブラスは被害者で、同公社も捜査に協力的であるという。
さらにモロ判事は、この契約の際の責任者だったコスタ容疑者、そして同容疑者の娘2人とその伴侶、サンコー・シデール社の共同経営者のマルシオ・ボニーリョ氏とムリーロ・テナ・バリオス氏の口座公開も求めた。コスタ容疑者の親類はいずれもラヴァ・ジャットの容疑者で、ボニーリョ氏とバリオス氏の名前はコスタ容疑者がユセフ容疑者と行った会話の中に登場することを既に連邦警察はつかんでいる。
この口座公開命令に対し、コスタ容疑者の弁護人は、「この契約問題で動くとすればサンパウロ州か製油所のあるペルナンブッコ州なのに、なぜパラナ州の裁判所が口出しをするのか」と抗議した。パラナ州はユセフ容疑者が拠点としている地域だ。
コスタ容疑者は、上下両院の合同CPIが設置されたペトロブラスのパサデナ製油所買収問題でも、経営審議会に提出された、契約に関する技術的な分析報告書作成に絡んでいた。また、沖縄の南西石油製油所買収やラヴァ・ジャット関連の保健省とラボジェン・キミカの契約問題などにも絡んでいる。