W杯を前に特別な警戒態勢に入った都市もあるが、軍警ストが始まったペルナンブッコ州では14日に商店略奪などの暴力行為が勃発、15日は全国の最低50市でW杯反対や住居要求の抗議行動が展開されるなど、国中が揺れた。
ペルナンブッコ州軍警の無期限ストは13日夜発表され、14日はレシフェなどで商店略奪やバス焼き討ちなどの暴力行為が勃発。商店は早めに店を閉め、学校の授業もキャンセルされた。
軍警のストは、四つの主な要求の内、30~50%の給与調整という点で合意が成立しなかったためで、治安悪化を重く見た州知事が派遣を要請した国軍兵は15日朝5時半に同州に到着した。
一方、15日のサンパウロ州では、オザスコ市内の土地を不法占拠した人々がアニャングエラ道を早朝から封鎖した。
サンパウロ市ではマルジナル・ピニェイロスで金属工らがデモ行進と道路封鎖、マルジナル・チエテではホームレス労働者運動(MTST)が2カ所で道路を封鎖しルス駅までデモ行進。東部のアレーナ・コリンチャンス周辺ではカルモ公園を不法占拠中のMTSTメンバー1千人がデモ行進し、ラジアル・レステの一部を封鎖した。コリンチャンスファンのガヴィオンエス・フィエルやカミーザ12のメンバーがスタジアムを守ろうと駆けつけたが、抗争はなかった。
サンパウロ市ではパウリスタ大通りでもW杯反対などの抗議行動が行われた。
15日の抗議行動はW杯に投ずる金で大衆住宅をと呼びかけるホームレス運動や労組など、多彩なグループが呼びかけ、全国50市や国外で賛同者が立ち上がった。連邦直轄区ではバス11台で押しかけたW杯反対者の一部が、軍警の抵抗を受けながら直轄区政府の建物に入り、当局と直談判する場面も見られた。