リオデジャネイロ市で開催されたファヴェーラ(スラム)住民のサッカー大会でゴール後に小銃が連射された映像が、14日にメディアで公開された。
問題の試合は、4日に同市西部のファヴェーラ、ヴィラ・アリアンサ内のチロテイオ(連続射撃)と呼ばれる場所で開催された「第1回ヴィラ・アリアンサ・サッカー大会」の準決勝だ。
録画されていたのは、ヴィラ・アリアンサ・クラブのエースアタッカーがペナルティでゴールを決め、観客席に駆け寄って得点を祝う場面だ。そこで映し出されるのは観客の歓声と花火というお定まりのものではなく、小銃を持った男性達が少なくとも35秒間、銃を連射する光景。ブラジル代表の黄色いユニフォームに白い靴下とオレンジ色のシューズといういでたちの選手達に、背番号9の青いユニフォームとベルムーダ姿の小太りの男性を加えた最低5人の男性が、フィールドの隣にあるコンクリート製の壁と床で作られた運動場で銃を連射している。
住民の中には耳を塞ぐ人もいたが、立ち去ったり立ち去れと命じたりする人はおらず、我が物顔で銃を連射する映像は40秒にわたった。
同ファヴェーラのサッカー大会はフェイスブックで呼びかけられたもので、3月16日に一度、コミュニティで銃撃戦があったという理由で中止された。この日は、麻薬密売者と警官の抗争後、バス1台が焼き討ちされている。その3日前には隣のファヴェーラ、ヴィラ・ケネディで、治安維持警察隊(UPP)設置のための警官隊配備が行われている。
専門家によると、ビデオの中で使われていた小銃は外国製のもの3種類で、軍などに使用が限定されている型だという。
ヴィラ・アリアンサがあるバングー地区担当の軍警14大隊によると、軍警は同ファヴェーラで犯罪組織絡みのサッカー大会が開かれた事は聞き及んでいないという。同大隊は12日、サッカーがうまいため、ジダンという通称の麻薬密売者、ドウグラス・カルヴァーリョ・メデイロス(35)を逮捕している。
ヴィラ・アリアンサは正当第三コマンド(TCP)が支配しているとされ、銃声でゴールを祝ったヴィラ・アリアンサ・クラブは、同地区の麻薬密売者首領格の一人であるラファエル・アウヴェス(31、通称ペイシ)が資金援助をしているとされている。(14日付エストラ紙サイト、15日付エスタード紙などより)