サンパウロ市イビラプエラ公園のスポーツ施設「モデロードロモ」内で毎週土曜日に開催されていた「フェイラ・オルガニカ」(有機食品の青空市場)が、3カ月の暫定期間を経て開催中止となる。12年11月に始まった同フェイラにはジャルジンス区に住む日本人利用者も多かった。関係者らは継続を求め、ネット上で署名活動を行っている。
今月3日のフェイラ開催前日、生産者らに同スペースを管理するスポーツ局から「スポーツイベントや関連施設の使用の妨げになる」との理由で、フェイラ開催禁止が告げられた。
市内の他公園が代替地として指定されたが、前日の連絡という急な通達に生産者らは憤り、翌日いつも通りモデロードロモを訪れ、前のクリチバ通りでフェイラを開催した。
毎週ボツカツ市から参加していた生産者のパウロ・カブレイラ・イスタンシア・デメトリアさん(54)は、「1日前にいきなり連絡するなんてあまりに無責任。我々の生活はフェイラにかかっているのに」と市の対応に憤る。
15日、有機農業協会(AAO)のマルシオ・スタンジアーニさんに状況を聞いたところ、17日から3カ月間はモデロードロモ内で開催できることが決まったという。しかし「3カ月を過ぎたら出ないといけない。今、市が変わりの開催場所を探しているが、継続を求めて署名活動は続けるつもり」と今後も粘る姿勢を見せた。
毎週土曜日の午前7時から1時まで、約30バラッカが出展していた。家族経営の小規模農家も参加しており、中には同フェイラが唯一の販売場所という生産者もいた。
日系人生産者は「スポーツ局は、公園内でやっているラジコンヘリの邪魔になるとか、便所を汚すとか言っているっけど何が本当の理由やら。まあ…ブラジルってことよね」とため息をついた。
現在国内では有機農産品の成長率が著しく、国民の食の意識も向上している。政府も生産支援に乗り出しているなかのこうした事態。早い解決が望まれる。