1月から3月は小売の各部門で在庫増という結果に終わったが、第1四半期の小売販売の不振は、母の日の売り上げ伸び悩みも影響し、今年半ばまで業界に悪影響を与えそうだ。特に、家電製品、家具、コンピューター、携帯電話など、通常は分割払いで購入するような高額商品の在庫の増加が目立ってきている。19日付エスタード紙が報じた。
全国商業連盟(CNC)が地理統計院(IBGE)と貿易研究財団(Funcex)の調査データを基に統計をとった結果、第1四半期は小売販売と在庫増の不均衡が顕著であることが明らかになった。1月から3月にかけ、家具・家電、情報・オフィス用品、衣料、スーパー、燃料類の各部門を総合した売り上げは、昨年同期比で4・5%増えたが、小売店の在庫は5・5%増えた。
これは、前年同期と比べて在庫量の増加率が販売量の増加率を上回っていることを示している。つまり、入荷した分を販売し切れない状態だ。
このような傾向は2010年と2012年にも起き、それぞれ在庫量の方が1・2%ポイント、1・6%ポイント高かった。これらの年は、小売販売が伸びる傾向にあり、小売業界全体の動きは好調だった。CNCのエコノミスト、ファビオ・ベンテス氏は「2014年は違う。クレジット利用の減少や融資期間の縮小、経済の減速が原因で、小売販売は縮小傾向にある」と指摘する。今年3月までの12カ月間の小売販売の伸び率は4・5%で、今年2月までの12カ月間に記録した伸び率の5%を下回っている。
また、ベンテス氏は他にも、第2四半期の小売り販売不振につながる可能性としてここ数カ月のインフレ、所得の上昇率が伸び悩んでいることを挙げる。同氏の分析によれば、3月までの12カ月の昇給率は4%(インフレ率を除く)で、個人利用のクレジットの金利の上昇率3・7%とほぼ同じだ。つまり、給与が上がらない状態でクレジットの金利は上がり、融資期間も短くなれば、「短期的に見て消費者の支払不能を引き起こす」と指摘する。
このような状況下、第2四半期の小売り販売も大きくは伸びないとの見方が広がっている。第2四半期の小売り販売を占う第一歩は母の日商戦だが、12日付G1サイトによれば、今年の母の日商戦は前年比2・9%増に止まり、昨年の前年比5・3%増の半分の伸びに終わった。
この販売不振を覆したい業界関係者にとっての頼みの綱はW杯だが、大会前にテレビの販売が加速する可能性はあるものの、他部門への好影響は限られている。6月はW杯の試合があるため、営業日の数が少なくなるからだ。