2014年10月から2015年9月までの14/15農年は世界的な砂糖不足が懸念されているが、現政権の燃料政策のせいでサトウキビ栽培への投資が不充分なブラジルは、世界的な必要に応えられずにいる。
コンサルタント会社Datagroのプリニオ・ナスタリ氏によると、14/15農年に不足すると見られている砂糖の量は246万トンで、現農年の余剰分の218トンを上回る見込みだ。ナスタリ氏は、世界的な砂糖の需要拡大は、中国やインドネシアの所得向上などによって引き起こされているという。
このような状況下で世界が期待するのは、砂糖とアルコール(エタノール)生産のためにサトウキビを栽培しているブラジルだ。
だが、残念ながら、近年のブラジルは、インフレ昂進を嫌う現政権がガソリン価格据え置きという燃料政策を採ったために、アルコール生産が頭打ちになり、サトウキビ栽培への投資も冷え込んでしまった。
「現政権の燃料政策が砂糖・アルコール産業を窮地に陥れている」と批判の声を上げているのはサンパウロ州サトウキビ加工業者連合などで、廃業に至った業者や精製所の操業停止を考える業者は後を絶たない。
このような状況を反映しているのは、収穫期に入ったせいで前月比4%増えたとされる砂糖の輸出だ。19日に発表された通商局のデータによると、ブラジルが今月輸出した砂糖の量は、精製分と未精製分を合わせても70万トンで、月末まで待っても、昨年同月の190万トンには到底及びそうにない。
先週ニューヨークで開かれたセミナーでは世界各国の注目を集めたとされるブラジルも、14/15農年の砂糖不足を解決するには力不足といわざるを得ないのが実情のようだ。(20日付フォーリャ紙などより)