W杯開幕が22日後に迫っているが、全国商業連合(CNC)がW杯開催期間中の全国の小売業界の売上げは15億レアル減るとの試算をまとめたと20日付エスタード紙が報じた。
CNCによると、2002年のW杯以降、W杯開催期間中の売上げは平年より0・7%少ない。前述の15億レの売り上げ減という数字は、車や建築資材を除く一般小売り部門にこのデータを適用して試算した。
また、6月12日~7月13日のW杯期間中は例年以上の休日が入るため、それ以外の影響も出る。例年はプレゼント購入で賑わう「恋人の日」の6月12日はW杯の開会式と開幕戦があり、少なくともサンパウロ市は休日となる。休日に開店するか否かは各業者の判断次第だが、閉店すれば売上げはゼロ。開店しても客足は少なく、休日出勤手当てなどで経費がかさむ。
サンパウロ州商業連盟のアウタミロ・カルバーリョ氏は、試合当日が休日となれば、閉店分も含めた売上げは少なくとも5%落ち、全国で2億500万レアルの減収となると試算。休日分の買い物を前もって済ます消費者は半数で、残る半数は買わないままで済ますと見られるため、減収分を取り戻すのは難しいという。
一方、W杯の影響は少ないと見ているのは、在庫増加が頭痛の種の工業界だ。3月にサンパウロ州工業連盟が行った調査では、52・3%が影響は少ないと判断。27・1%は影響は深刻と見るが、影響ゼロとの声も12・4%ある。過剰在庫を抱える自動車業界は、GMサンパウロ州サンカエタノ・ド・スル工場やFordバイア工場等で集団休暇をとる。
同連盟の調査は試合当日が休日になるか否かの判断が出る前に行われており、44%は期間中の操業計画未定と回答した一方、8・5%は休業、10・7%は通常通り操業と回答している。