米国の小売り大手ウォルマートのブラジルでの電商取引分を除いた第1四半期の売上げが、昨年同期比4・4%の増加に止まり、同国内のシェアを縮小した。
世界最大の小売り大手の同社だが、少なくともブラジル国内での今年第1四半期の売上げは、同業のカレフールの昨年同期比6・4%増やグループ・ポン・デ・アスーカルの同6・3%増に遅れをとった。
同社の国際部門担当者は、第1四半期の結果に関する経済関係のアナリストとの電話会談で、パスコア(イースター)が4月にずれ込んだ事で3月の売上げの伸びが小さかったとの見方と共に、「店舗数を減らしたブラジルと中国で、シェアを失った」と語った。
同担当者は詳細を明らかにしていないが、同社は昨年、ブラジル国内で25店舗を閉鎖した。この影響は、客足が昨年同期比で2・8%落ちた事にも表れた。ただ、顧客一人当たりの購入額が7・2%上がったため、第1四半期の売上げは4・4%伸びている。
ウォルマートでは、店舗削減などの措置は戦略的なもので、第1四半期の業績が従来ほど伸びない事は予想していたとした上で、食料品や消費財の売上げが伸びた事で満足していると説明。同社では、その他の商品全版でも同様の傾向が出て来る事を期待しているとも強調した。
ウォルマート全体の第1四半期の売上げは、米国を襲った厳しい寒さもあり、2010年以来、最低となった。関係者によると、サムス・クラブの利用客の売上げが振るわなかった事が特に大きかったという。
同社全体の第1四半期の純益は35億9千万ドルで、1株当たり1・11ドル。昨年同期は37億8千万ドルで1株1・14ドルだった事を考えると、成長曲線の変化は予想済みだったとの言葉とは裏腹に、新興国の勇といわれるブラジルと中国でシェアを減らした事の影響は小さくはないようだ。(16日付エスタード紙より)