【既報関連】サンパウロ市のバス運転手、コブラドールが20日に予告なく始めて市民の足に影響が出たストは、翌21日も続いた。21日は市内28のターミナル中21が機能を停止して100万人が影響を受け、交通手段がなく夜中に遠路を歩く羽目になったり、タクシーで高額を使うのを余儀なくされたりと、サンパウロ市民にとっては災難の一日となった。22日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
労働裁判所(TRT)は21日、全体の75%にあたる1300路線を機能させる命令を出し、検察局と市警は機能停止の原因の捜査に乗り出した。ジルベルト・カルバーリョ大統領府総務長官は「無責任なスト。W杯には繰り返されない」とコメントした。
スト1日目の軍警の動きについては、州政府と市が互いに非難し合う声が聞かれた。口火を切ったジルマール・タットサンパウロ市交通局長は記者会見で「特にバスの問題においては(軍警に)受身的な姿勢がみられる」と批判。それに対し、州広報局のマルシオ・アイテ副局長は「軍警に責任転嫁すべきではない」と応酬し、抗議行動で75台のバスが焼かれたとき、「(タット局長が)市警の捜査を困難にした」と非難した。
21日は朝から、市の西部、北部、南部、中心部を運行するバス会社5社が所有する11の車庫が動かず、全体の62%にあたるバスが止まった。これら5社は3月の時点で、1日平均333万8663人の乗客を運んでいる。
バスが止まったために影響を受けた人に残された交通手段は、メトロと電車、ミニバン(ロタソン)だった。市西部バラ・フンダのバスターミナルではミニバンのみが動いていたため、ミニバンに乗ろうと列を成す人の数は通常を遥かに超えた。また、バスターミナルがあり、CPTM9号線にも連結するメトロのピニェイロス駅は大混雑した。
松葉杖をついた元石工の42歳男性はこの日、2月から予約していた診察を受けにクリニカス病院に行こうとしたが、バスが動いていなかったため、行きも帰りも2キロ歩く羽目になった。
昨今頻発するこの種のデモに関し、サンパウロ市民はどう考えているのか。ダッタ・フォーリャによる20日の調査によれば、10人に7人(73%)が利益よりも損害をもたらすと考えている(「自分に損害をもたらす」は69%、「サンパウロ市民全体にもたらす」は73%)一方、52%がマニフェスタソンに賛成と答えた。
同じ調査は昨年6月の「抗議の波」の直後と昨年9月にも行われているが、「損害の方が大きい」と答えた人の割合は、9月の調査と比べ、格段に増えている。