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ブラジルの国際競争力が低下=総合ランキングは54位に

 スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した国際競争力ランキングによると、ブラジルは4年連続で順位を下げ、60カ国中54位と22日付伯字紙が報じた。
 IMDは国際競争力を「企業にとってのビジネス環境」とし、各国の経済状況や財政政策、ビジネスの効率性などを分析する。ブラジルの調査を担当したドン・カブラル財団のカルロス・アルーダ氏は、順位低下の主要因に企業家達の評価や輸出力低下を挙げた。
 国内消費と外国直接投資は7位、雇用は6位という高順位のブラジルだが、これだけでは国内総生産(GDP)7位の大国が、2010年の38位以降、4年連続で計16も順位を下げるのを防げなかった。
 貿易収支の黒字縮小は顕著で、国際貿易59位という状態は、一次産品輸出と工業製品輸入というアンバランス故だ。輸出力低下には、熟練労働者の不足、税金や電力料金を含む生産コストの高さ、高速道路や港湾、空港などの物流インフラやエネルギー政策の問題も関係する。発電に要する平均経費は0・18ドルで、60カ国の平均0・12ドルを大幅に上回り51位。生産性も59位と振るわない。
 物流インフラは、改善計画があっても実行に移されるまでに時間がかかり、改善の度合いが見えない項目の一つだ。農産物が豊作でも、港湾までの物流が滞り、国外の顧客を失う例もある。
 また、企業家達は、今回から調査項目に加わった治安や市街地での暴力といった要因も国際競争力を殺ぐと見ている。
 ブラジルのランキングは10年の38位以降16落ち、インドの13やオーストラリアの12、ギリシャの11などと比べて大きく失速している。
 上位10カ国は米国、スイス、シンガポール、香港、スエーデン、ドイツ、カナダ、アラブ首長国連邦、デンマーク、ノルウェー。51位以下はコロンビア、南アフリカ、ヨルダン、ブラジル、スロベニア、ブルガリア、ギリシャ、アルゼンチン、クロアチア、ベネズエラとなっている。