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寺尾ジュリアーナさん
寺尾ジュリアーナさん

■ひとマチ点描■ブラジル一の論理科学の芸術家

 サンパウロ州スザノ市在住の寺尾ジュリアーナさん(22、四世)はブラジルで最もチェスの強い女性だ。この道に足を踏み入れたのはわずか6歳の時。日系二世の父ルイさんと2歳年上の兄ロドリゴさんに影響され、「お兄ちゃんがいつもお父さんと練習していたから、私も興味を持った」と言う。
 8歳で全伯選手権大会幼少女の部で優勝した後、敵なしの4連覇。汎米チェス大会で優勝を重ねると、19歳でブラジル人女性の取得者がわずか4人の「国際女子名人」位を日系初、かつ最年少で取得した。2年前に学校を卒業、チェスを生業にすると決めた。「チェス教室の先生ではなく、競技者として」というが、目下の悩みは遠征費用の高さだ。
 世界を舞台に活躍するにはスポンサーが必須だ。「チェスは論理の科学を表現する芸術」との言葉がある。なら〃ブラジル一の芸術家〃である彼女の試合は一見の価値ありだ。(石)