W杯まで20日を切ったが、英国では今、W杯開催国のブラジル関連商品の売上げが好調だ。
英国の小売り大手、Tescoによれば、ヨーロッパの人々がブラジルによせる関心の度合いは非常に高く、ブラジルと関係のある商品を売り出す店は数多い。小売店やショッピングセンターでも、W杯が近づくにつれて、ブラジル国旗を飾ったり黄色と緑で飾り立てたりする店や、サッカーと関係した品物を揃える店が増えているという。
同社の場合、ブラジルに関連した食べ物や飲み物などの売上げは今年、平均40%伸びている。売上げの伸びが特に著しいのは、ポン・デ・ケージョ用の粉の250%増だ。その他にも、フェイジョン・カリオッカが140%、マラクジャ(パッションフルーツ)のジュースも100%増えており、極細のポテトフライ(バタータ・パーリャ)、グアラナ、ブラジル製のビールなどの人気も高いという。
ブラジル製の品物の輸入を手がけるGaya Foodsのガブリエル・ガヤ担当理事によれば、「ブラジルの食材はかつてないほど注目されており、関心と需要の急速な高まりは、ただ単に試してみようというレベルを超えているようだ」という。リベイロン・プレット出身のガヤ氏は、ブラジルからの食材などをロンドン市内を始めとする各国の商店やレストランに販売している。
Tescoでは3年ほど前から、南米出身の移民が多い地域を中心とした30店舗でブラジル関連の商品の販売を手がけていた。今年はW杯を前にした関心の高まりを見て、ブラジル関連商品を置く店の数をロンドンとその近郊でブラジル人が居ない地域にも拡張。現在はその数が80店舗に拡大している。
また、同様に英国では伝統のある小売店Argosも、〃Braziliant〃と題したキャンペーンを実施。商品棚を黄色と緑で飾り立てた同社は、ヨーロッパでは真夏のW杯をシュラスコとビールを楽しみながら高画質のテレビで観戦するためのグッズ販売という戦略をたてた。
この戦略を託した〃ブラジル・キット〃は、テレビとシュラスケイラ、ビールを冷やしておくための冷蔵庫、6人掛けの椅子が付いたテーブルと日よけのパラソルという懲りようだ。
また、商店以外でも、フランスのDanoneが、椰子の香料入りのミネラルウオーターVolvicを発売。黄色と緑のラベルには「ブラジルの魅力を味わおう」の言葉と共に、海岸とシネーロの絵が描かれている。また、米国のビールメーカー、バドワイザーも、W杯の特別バージョンとして、金色のビンの商品を売り出している。
ブラジル選抜チームのダヴィド・ルイス選手など、英国にはブラジル出身のサッカー選手も多いため、英国の人々にとって、ブラジルは自国に次いで応援したい国だ。
この事を知る商店主達は、ブラジル関連商品にこだわらなくても、英国やブラジルの試合のある日が良い天気になって、皆がシュラスコやビールを楽しみながら試合を観戦すれば、店の売上げが伸びると期待している。(23日付エスタード紙より)