作家エウクリーデス・ダ・クーニャが北東伯のカヌードスの乱を描いた著書『オス・セルトンイス(奥地)』(1902年)を指し、コラム子が通う大学の教授は「これが本当のブラジル。地方の現実はこの時代と大きく変わっていない」と指摘した。「本当のブラジルはサンパウロやリオではなく、地方の現実にある」と。
するとW杯に話題が移り、「有力チームがないのに、マナウスに立派なサッカー場を造ってどうするのか。たぶん刑務所になる」と同級生が冷静に発言した。
スタジアム建設には85億レアルもの大金がつぎ込まれているが、W杯後にどう使われるのかイメージできない。大会はいかにも「国のため」のように言われるが、所詮はFIFAの商業イベントだ。反W杯の抗議行動は、クーニャの描いた民衆暴動とどこか類似する部分があるかもしれない―などと考えた。(詩)