非政府団体の「SOSマッタ・アトランチカ」が27日、12~13年の大西洋岸森林地帯の原生林喪失は、前期比9%増の2万3948ヘクタール(以下、ha)と発表したと同日付エスタード紙やアジェンシア・ブラジルが報じた。
同森林地帯は北東伯海岸部や南東伯、南伯の海岸部と内陸部など全17州に分布するアマゾンと並ぶ有数の森林地帯で、一部はパラグアイやアルゼンチンにも繋がる。同森林地帯は生物の多様性に富んでいる事でも知られ、遺伝子資源の宝庫とされている。ゴールデンライオンタマリンなど、ブラジルの絶滅危惧種の60%はこの地域にしか生息しておらず、希少価値を持つ森林地帯だ。
その一方、同森林地帯は炭焼きや牧畜などを含む生産活動にも密着しており、農工鉱業発展に伴う開発行為で、100ha以上の原生林は8・5%を残すのみだ。
原生林喪失面積は2000年以降、急速に減少し、2008~10年は1万5183haに減った。だが、それ以降は、10~11年1万4090ha、11~12年2万1977ha、12~13年2万3948haと増加に転じている。
喪失量が多かったのは、ミナス(8437ha)、ピアウイ(6633ha)、バイア(4777ha)、パラナ(2126ha)で、全体の喪失面積の91・75%を占めている。ミナス州の場合は前期比22%減だが、ピアウイは150%増で関係者を驚かせた。5位のサンタカタリーナも35%増の672haを失った。
同森林地帯では伐採や焼失以外にも、市街化による開発も頻繁に起きており、各自治体には森林保護を考慮した開発計画立案が望まれている。