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大阪・准看護師殺害事件=日系ブラジル人女性が関与か=中国当局が身柄拘束

 【共同・既報関連】大阪市西成区の准看護師岡田里香さん(29)の遺体が東京都八王子市のトランクルームで見つかった事件で、岡田さん名義の旅券で中国・上海に出国した日系ブラジル人の元同級生の女(29)が27日、中国で身柄を拘束された。大阪府警の関係者への取材で分かった。
 27日昼ごろ、上海の日本総領事館に出頭し、領事館は不法入国の疑いがあるとして中国の公安当局に身柄を引き渡したという。
 女は岡田さん名義で3月下旬に旅券を不正に申請し、4月上旬に取得したとして、府警が旅券法違反や有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕状を取り、行方を捜していた。今後は身柄の引き受けに向け、日中両国などの関係機関と協議。渡航は5月3日で、出頭までの足取りを調べる。
 岡田さんは3月21日に退勤したのを最後に、行方が分からなくなった。今月4日、近くに住む母親が岡田さんの部屋で血痕を見つけ、西成署に届けた。八王子市で遺体が見つかり、大阪府警は25日、死体遺棄容疑で捜査本部を設置。3月下旬に殺害された可能性が高いとみて調べている。
 事件をめぐっては、3月24日に岡田さん宅から遺体が入っていたとみられる宅配便が、女が住んでいた八王子市のマンションに発送されていたことが既に判明。送付状には、女の携帯電話番号が書かれていた。遺体は段ボールなどでくるまれており、4月下旬に近くのトランクルームへ移されたとみられる。
 また岡田さんが死亡したとみられる3月下旬以降、本人名義のクレジットカードが申し込まれ、新たに数枚発行。女が5月の出国時に使った往復航空券は、岡田さん名義のカードで購入されていた。

 在日ブラジル人社会の反応=イメージ悪化に非難の声

 事件は在日ブラジル人向けポ語メディア「Alternatica」やフェイスブックのファンページ「Brasileiros no Japao」でも扱われ、読者からは次のようなコメントが上がっている。
 「日本の警察からは逃げようがない。調査官は忍者だ」「刑務所から出てこなくていい。こんな犯罪が続いたら、僕らブラジル人の仕事がなくなる」「すでにW杯の件で恥をかいているのに、恥の上塗りだ」「また偏見が強くなる。特に学校に通う子どもが苦しむ」「いずれブラジル人が日本に入国できなくなるかも」
 大半は、ブラジル人のイメージを悪化させた容疑者に対するこうした非難の声だが、ダンボール箱に遺体をつめて郵送したことなどから、「共犯者がいるはず」との声も多い。