ワールドカップ開催まであと2週間を切り、開催都市では本格的な観光客対策が迫られている。そんな矢先の28日、サンパウロ州の軍警が公表した、観光客に配る安全情報告知のためのパンフレットに記載された鉄道マップが間違いだらけであることが判明した。
しかも、間違いの数は少なくとも10カ所。これではさすがに観光客も戸惑いかねない多さだ。
その例を順にあげていくと、まず都電(CPTM)7号線が2008年までの呼び名の「A線」になっていること。2010年から既に運行し、1日65万人が利用している地下鉄4号線がまだ「工事中」になっていること、都電9号線へのABD高速バス路線がまだ工事中(2010年開通済み)になっており、終点もモルンビー駅のはずがベリーニ駅になっていること。同じく都電9号線のアウトドロモ~グラジャウー間の最後3駅が「開通予定」(2007~08年に開通)となっていること。14年に開通した地下鉄5号線アドルフォ・ピニェイロ駅が地図上に記されていないこと。地下鉄2号線のシャカラ・クラヴィン駅~ヴィラ・プルデンテ駅間が工事中(2010年に開通)になっていること。サンパウロ西部のヴィラ・マダレーナ駅、シダーデ・ウニヴェルシタリア駅、バラ・フンダ駅の間のバス「ポンテ・オルカ」は09~11年に運行しなくなっていること。13年に開通した都電7号線のヴィラ・アウローラ駅が地図にないこと。一部改名した駅の名前が変わっていないこと。地図上にW杯会場であるアレーナ・コリンチャンスの最寄り駅コリンチャンス・イタケラ駅の名前はあるものの、スタジアムの座席の位置によって地下鉄とCPTMを使い分けるべきことなど、スタジアムへのアクセス方法が書かれていない、の10点だ。
軍警は安全情報がメインだから地図の間違いは本質的なものではないというが、6万7千レアルをかけて印刷したパンフレット約30万枚はマップ情報を訂正した上で配布することになる。
このパンフレットはW杯に向けた警備計画の一部として公表されたもので、W杯用には三つの特別大隊を新設し、4500人を配備する予定だ。この大隊は、試合や練習といったW杯関連の警備のみに集中する予定で、抗議行動などに対する警備には、現在既に市中に配備されている1万7千人の軍警が当たることになっている。(29日付フォーリャ紙より)