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最高裁=バルボーザ長官が引退表明=定年まで10年を残し=メンサロンで株上げた英雄=10月選挙出馬なしも

 連邦最高裁長官のジョアキン・バルボーザ氏が29日、6月一杯で最高裁長官職を含む判事業務からの引退を突如表明し、社会に衝撃が走った。同長官は12年のメンサロン裁判で報告官をつとめ、ブラジルではじめて現職議員の実刑判決を導いたとして国民のあいだで人気となり、「次期大統領」を希望する声もあがっていた。登録期間の問題上、10月に行なわれる選挙には出馬できないが、この辞任で諸政党が獲得競争に乗り出しはじめている。20日付伯字紙が報じている。

 バルボーザ長官は29日朝、大統領官邸に出向いてジウマ大統領に退任の意向を伝えた後、国会に出向き、レナン・カリェイロス上院議長、エンリケ・アウヴェス下院議長にも同様の報告を行なった。また、同日午後行なわれた最高裁の全体審理の冒頭で「長官だけでなく、判事そのものを辞めるつもりだ」と宣言し、「最高裁での月日は実りある喜びのときだった」と語った。
 バルボーザ氏は2003年に当時のルーラ大統領によって「最高裁史上初の黒人判事」に任命されて注目を集め、判事間の対立をも恐れない激しい言動でも話題を呼んでいた。12年のメンサロン裁判で報告官をつとめた際は、元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏をはじめ、与党・労働者党(PT)の要人や現職議員を恐れず実刑に導き、国民から人気を得た。その人気は13年リオのカーニバルで同氏のマスクが作られ、6月のコンフェデ杯時のマニフェスタソンのときには「次期大統領に希望する人物」のアンケートの1位にも選ばれるほどだった。
 バルボーザ氏は政界入りを否定し続けていたが、その一方、70歳となる2024年まで在籍できる最高裁判事に関して、「そこまで在籍するつもりはない」と、それ以前に辞職することをほのめかしていた。今回の引退は、任期2年の長官職をあと約半年残してのものだった。
 引退の理由に関してはまだ不明だが、最近はメンサロンの被告の昼間外出時の労働を禁ずるなどの措置がPTに批判されたり、最高裁内での国政に関する審理でバルボーザ氏にとって不本意な結果が出たりすることが多くなってもいた。
 10月の選挙への出馬も期待されていた同氏だが、そのためには4月5日までにいずれかの政党に所属していなければならず、今回の選挙には出馬できない。だが、アエシオ・ネーヴェス氏の民主社会党(PSDB)やエドゥアルド・カンポス氏のブラジル社会党(PSB)といった大統領選で政権交代を狙う大型野党が獲得を狙っている。PSBは近日中に接触を試みようとしている。
 最高裁長官の後任には現副長官のリカルド・レヴァンドウスキー氏が有力視されている。同氏はメンサロン裁判でバルボーザ氏と幾度も対立したことで有名だ。また、メンサロン事件では被告の昼間外出時の労働の自由をめぐる訴えなど、刑執行に関する問題が残っているが、バルボーザ氏は同件は「自分にとっては終わったこと」と語っており、同件で残っている諸問題の報告官はくじで決められる模様だ。

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