今月17、18日の2日間にわたってサンタカタリーナ州のラーモス移住地で剣道合宿が行われた。参加者は剣道の練習を始めて3カ月の初心者ばかりで、大半は非日系人だった。参加者の多くは南大河州のリオ・グランデ市にある「大川剣道場」グループで、そのほかポルト・アレグレ市の「南武館」剣道グループも加わり総勢40人だった。計画を立てたのは「大川剣道場」の責任者である橋本千代子さん(三世)と、指導者の山本隆さん(二世)だ。
一行は24時間滞在中に3回も稽古を行った。道場での稽古以外にも、早朝午前6時半に移住地内にある「平和の鐘公園」の丘に登って濃霧の中で素振りや、移住地の3長老から、それぞれ「剣道の精神とは」「ラーモス剣道の歴史」についての講話・講習会もあった。初日の夕食は、移住地の剣道関係者が手作り焼きそばなどで歓待し、交流を図った。
山本隆さんは「剣道を指導してくれた尾中栄作・美和さんは兄妹ともに世界剣道大会のブラジル代表として優れた成績を残し、経験豊富な先生方であり、初心者たちの剣道人生に大きな影響を及ぼすに違いない。平和の鐘公園の設立者である小川和巳さんの足跡に触れ、移住地の人々との交流を通じて日本文化に触れあう貴重な時間となったはず」と感想を述べた。
橋本さんは「本当に素晴らしい指導とラーモス移住地の温かいもてなしを体験できた。移住地の皆様、先生方には心から感謝しています」と話していた。
「大川剣道場」はリオ・グランデ国立高等専門学校(IFRS)の拡張プロジェクトとして今年の2月22日に設立されたばかり。道場責任者は同連邦大学医学部2年生、橋本千代子さん。剣道指導はラーモス移住地出身でペロタス連邦大学に勤務している山本ロブソン隆さん(剣道3段)だ。現在、約50人が週2回の稽古をしている。山本さんは「この非日系の青年たちは日伯の様々な分野での懸け橋となる可能性を持っていので、その姿勢を継続させ深めるためにも少しでも良い環境作りに手助けをしたい」と意気込んだ。