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基本金利据え置きの訳は=通貨政策委の議事録公表

 中央銀行が5日に公表した通貨政策委員会(Copom)議事録によると、5月の同委員会での経済基本金利(Selic)据え置きは経済後退(リセッション)のリスクを避けるためと6日付伯字紙が報じた。
 基本金利据え置きは事前に予想されていたが、議事録によれば、今年の経済成長率は昨年の2・5%を下回るとの予想である事や、拡大消費者物価指数(IPCA)上昇圧力がやや低下したとの見方が当面の据え置きに繋がった。
 中銀は、昨年4月から9回連続の基本金利引き上げ(7・25%から11%へ)による物価抑制効果がまだ続いている事と、消費者や企業家の信頼感指数低下で、大型投資や急激な消費の伸びなどのインフレ圧力は起きにくく、通貨政策の効果が高まる傾向にある事を再確認している。
 5月の委員会では、物価はまだ高止まりの状態だが、様々な指数を見るとIPCAは下がると理解し、停滞気味の経済活動の更なる減速、後退を避ける事を優先して、当面の基本金利据え置きを決めたといえる。
 事実、委員会後の報道は、第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比0・2%増に止まり、4月の工業生産は前月比0・3%、昨年同月比では5・8%減で今年は昨年より縮小の可能性あり、1~5月の自動車生産は昨年同期比で18%減少など、ネガティヴなものが続いている。
 また、5月の委員会で使用した為替相場は1ドル=2・20レアルで、4月に使用した1ドル=2・30レアルよりレアル高だ。レアル高は輸入品価格抑制に繋がり、中銀の為替介入の可能性もありうるが、欧州中銀が5日に、デフレ抑制のために金利を下げ、量的緩和を行うと発表した事もレアル高を促しそうだ。
 中銀は、IPCAが政府目標上限の6・5%付近で高止まりしているのは、為替がドル高だった事と、燃料や電力、公共交通費などの政府統制価格の調整の遅れが原因としている。中銀が予想する14年の電力料金の調整幅は11・5%だ。