自国でのワールドカップ開催ながら、昨年のコンフェデ杯以来、ブラジル国民のあいだでは中流家庭を中心に鬱積していた不満が爆発し、開催直前になってもW杯開催をめぐる抗議運動が起きている。6月に行なわれたダッタフォーリャのアンケートでも、「開催反対」の意見は4月の38%より下がったものの35%(賛成は51%)と依然高い。
だが、これがこと、セレソンを指揮するフェリポン監督の采配になると、国民はおおむね満足しているようだ。開催直前のダッタフォーリャのアンケートでは、フェリポン監督の采配は「よい」「最善」と答えた人は68%にのぼった。この数字は、フェリポン氏が02年に日韓開催のW杯で優勝を記録したときの51%を大きく上回り、06年大会のペレイラ監督(62%)や10年のドゥンガ監督(49%)も上回っている。
今回のフェリポン監督に関して特筆すべきは、支持率の高さもさることながら、反感がかなり低いことだ。今回のアンケートで「采配がまずい、最悪」と答えた人はわずか2%に過ぎない。これは02年の同氏が記録した8%、10年のドゥンガ氏が記録した11%を下回り、06年のペレイラ氏と並ぶ数字だ。94年W杯優勝監督でもあるペレイラ氏も今回のW杯にはコーディネイターとして参加していることから、今回のセレソンに関しては、ことに指導者の面で国民の信頼が高いことが伺える。
「どの国が優勝するか」との問いに「ブラジル」と答えた人は68%いた。この数字は連覇のかかっていた06年大会に記録した83%に次ぐ高さだ。ただし、02年と10年も64%だったから、国民の大半はいつもブラジル優勝を願っているのが現状だ。
また、「W杯ではどこの国を応援するか」の質問にも、84%がブラジルと答えた。「わからない」「どこも応援しない」と答えた人は3%と9%で、W杯がいざはじまれば国民がセレソンを応援する予感は伺えた。(8日付アゴラ紙より)
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