W杯開幕を直前に控え、サンパウロ市メトロの組合員らは8日、5日に開始したストの継続を決めた。9日付各紙が報じた。
今回のストは6日間続いた86年に続く、2番目に長いもの。交通技術公社(CET)はストを中断しており、ロジージオも解除されている。
地方労働裁判所(TRT)は8日、スト収束とともに、その先もストを続けた場合には罰金を1日10万レから50万レに増額し、給与調整も最終的な公社側の提案である8・7%とする判決を下していた。
投票を行った判事の一人によれば、スト決行の前日、ピーク時は100%、それ以外の時間帯も70%の運行を命令していたが、それを地下鉄職員組合側が無視してスト入りしたことを重くみた判断となったようだ。「(スト中は)最低限のサービスも行わず大きな混乱を引き起こし、治安も脅かした」とした上、スト中の職員給与減額も許可し、雇用の安定も保証しないとした。
組合側は判決を不服とし、「スト権の侵害」として控訴する意向だ。給与調整は12・2%増を主張している。
9日朝は、1198人の職員のうち29%しか出勤しなかった。ジュランジール・フェルナンデス交通局長は、同日中に然るべき欠勤理由を届け出ない職員には解雇通達を出すとしている。
駅を破壊したり同僚の出勤を妨害したりする過激な行動に出た職員60人には、9日に解雇通達が送られた。
このストには様々な社会運動集団が支持する動きを見せている。9日早朝にはアナ・ローザ駅でメトロ組合員と無料乗車運動(MPL)のメンバーがヴェルゲイロ通りを占拠して軍警の機動隊と衝突した。また、MTST(ホームレス労働者運動)はサンパウロ市中心部でデモを行った。このデモには労働者総合連盟(UGT)などのメンバーも混じっていた。一行はセー広場を出発してジョアン・メンデス広場へと進み、ベラ・ビスタ通りを占拠した後、正午頃に解散した。
なお、スト入りはしているものの9日午前の時点では部分的に運行しており、午後3時頃の時点では42駅のうち22駅が運行していた。