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サンパウロ市=破壊行為を伴うデモ再び=バス代据置き1周年記念で

 昨年6月に起きた抗議行動を受け、サンパウロ市市長とサンパウロ州知事が一度値上げした公共交通機関の料金据置き発表から満1年となる19日、料金据置き1周年を祝うデモ行進が、参加者に紛れ込んでいたブラック・ブロック(以下、BB)による破壊行為に変わり、銀行や自動車販売店などが被害に遭ったと20日付伯字紙が報じた。
 デモを計画した無賃乗車運動(MPL)は、午後3時にパウリスタ大通りの自転車愛好者広場に集合後、マルジナル・ピニェイロスまで移動してショーなども行なう予定だった。今回のデモは、料金据置き1周年記念と共に、料金無料化や地下鉄スト後に解雇された職員の再雇用を要請するためのもので、マルジナルでは紙製のカトラッカを燃やす一方、サッカーやショーで抗議行動の成功と祝う意向だった。
 MPLが保安局に文書を送り平和的なデモだから警察官は遠ざけて欲しいと要請したため、軍警は従来のようにデモに同伴せず、ルートから離れた所に待機していたが、午後5時頃、BBによる破壊行為が始まった。
 BBはパウリスタ大通りからピニェイロスに至るレボウサス大通りにある銀行のガラスを割ったりした上、マルジナル・ピニェイロスにある自動車販売店正面のガラスを割り、展示中の車12台やコンピューターなどを破壊する暴挙に出た。
 MPLは軍警が駆けつけようとしていると知ってイベントを中止し、ラルゴ・ダ・バタタに移動したため、ブラック・ブロックも後を追ったが、マルジナルではBBと軍警騎馬隊や突撃隊とのもみ合いもあった。BBの一部は仲間の破壊行為を止めようとしたが、大半はゴミ箱や植え込みを破壊したりゴミに放火したりしながら移動。途中でバリケードも築いたりしたため、軍警がラルゴ・ダ・バタタに着いた時は大半のデモ参加者は解散しており、逮捕者は出なかった。襲撃された銀行は5軒、自動車販売店の損失は最低でも200万レアルに及ぶ見込みだ。