ホームレス運動(MTST)が21~22日にサンパウロ市南部モルンビの土地を不法占拠し、1千軒の小屋を建てた。MTSTはサンパウロ市議会が同市の総合都市開発計画である「プラノ・ジレトール」の承認を遅らせるなら不法占拠地が増えると予告している。22、23日付伯字紙が報じている。
不法占拠地は、ジョバンニ・グロンキ大通りとフランシスコ・モラート大通り間をつなぐドトール・ルイス・ミリアーノ通りの「セミテリオ・ダ・パス」という霊園の脇にある。この周辺は高級住宅地で1平米の平均価格は8千レアル。中には150万レアルの高級アパートまである。
MTSTが占拠した土地は約20万平米あり、22日現在、約1千軒の小屋が建ち、3千人がいすわりはじめた。21日未明の気温は13度と低かったが、人々は要求が通るまで居座る意向で、ビニールで覆った小屋の前で焚き火をする人たちの姿も見られた。
全国コーディネーターのアナ・パウラ・リベイロさんは、サンパウロ市の今後16年の都市計画を定める「プラノ・ジレトール」と、MTSTが占拠した「民衆のコッパ」の土地を社会事業向け特別ゾーン(Zeis)に認定する法案の同時承認までは新しい土地の不法占拠が続くと予告している。
「プラノ・ジレトール」と「民衆のコッパ」の土地を巡る法案は今週承認の見込みだが、与党労働者党(PT)がMTSTの要求通りZeis化する法案を出したのに対し、野党側は「大衆住宅建設を求める住民が列をなす中、MTSTの要求だけを優先する」として土地の用途を変更しない法案を提出したため、承認が遅れている。
MTSTは「プラノ・ジレトール」承認だけではなく、「占拠地をホームレスの人用の大衆住宅が建てられるZeisに変更することを認めて欲しい」と主張している。
なお、不法占拠地の周辺の高級住宅住民には、「彼らには住む場所が必要だが、それがないから空き地を占拠した」との理解を示す人もいる。
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