聖南西文化体育連盟(UCES、山村敏明会長)が21日にヴァルゼン・グランデ・パウリスタ文協で役員会を行い、約50人が出席した。婦人会の横のつながり強化を目指し、「和食イベント」の開催日程が決定したほか、青年部活性化の一環とし、4人の日系政治家を招いた講演会も行われた。
各文協の運営費の大半を稼ぎ出す婦人部だが、これまで交流行事はほとんど行われてこなかった。昨年、和食がユネスコの無形文化財に認定された記念も兼ね、各文協婦人部間の交流や和食普及を目的に、「和食イベント」の企画が進められている。
第一回に参加するのはボツカツ、マイリンキ、カッポン・ボニートなど9婦人部。8月23日にソロカバで開催し、各婦人部が得意料理を3つまで出展することが決まった。参加人数を把握して規模を見極めた上で、試験的に実施、毎年の継続を見込むという。
続いてヴァルゼン文協婦人部による手作りフェイジョアーダでの食事後、午後は政治家を招いた講演会が行われた。
「政治家は汚い」と政治に反発しがちな若者に対し、「文協の運営には政治家の力が必要。そのためにはまず政治について学び、政治家と親しい関係を築くことが大事だ」との山村会長考えで実施が決まった。
「市民の責任」をテーマに安部順二、大田慶子両連邦下議、羽藤ジョージサンパウロ州議、ウィリアン・ウー元連邦下議がそれぞれの政治論や投票の大切さを語った。
安部下議は国全体の政治のあり方の問題点を説明し、「生活扶助政策には1670億レアルも使われているのに、教育への投資はわずか1330億レアル」「半日制の学校で、実質学ぶ時間はわずか2・5時間。帰宅後やることのない青年たちが犯罪者に利用される」など教育面の課題を挙げ、「現状を変えるには各人の参政が必要だ」と強調した。
息子を犯罪で失った経験を持つ大田下議は取り組んでいる政策を紹介し、「教育によってしか子どもは救えない」と一票の大切さを訴え、政治参加を促した。
講演後、田尻幸夫さん(26、三世)は「安部議員の話でブラジル全体の問題が分かったので良かった。もっとこういう話が聞きたい」と関心を持った様子だった。古川亜由美さん(22、三世)も「政治にはあまり関心がなかったけど、次の選挙ではもっと注意深く候補者を選びたい」と仲間と顔を見合わせた。
政治家との第2回会合は10月17日にピエダーデで開催予定。
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