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貿易収支=黒字額は13年以下?=輸出品目の価格低下響く

 5月末現在の貿易収支が49億ドルの累積赤字を計上している事などから、2014年度の貿易収支黒字額は、過去13年間で最も少なかった昨年の実績の25億ドルを下回る可能性も出てきたと24日付エスタード紙が報じた。通商研究センター(財団、Funcex)によると、5月までの12カ月間の輸出額は、輸出量が4・9%増えたにも関わらず、4・3%低下している。
 ブラジルの輸出不振は、コモディティ価格の低下や工業製品の競争力のなさが主な要因とされている。コモディティ価格の低下は、ブラジル一の貿易相手国である中国の経済成長減速化にも起因している。経済が減速化するとコモディティの需要が減り、価格も低下するためにブラジルの輸出額にも影響する訳だ。
 それでも、5月末の赤字額は、米国で大豆の収穫が始まる8~9月より前に大豆を輸出使用とする動きなどにより、拡大を免れた。ただ、大豆の平均価格はトン当たり505~507ドルで、昨年の平均価格533ドルを下回っている。コモディティ価格の低下を促した要因には、米国連邦準備制度理事会の金融政策変更に伴うドル高傾向も影響している。
 一方、工業製品の輸出不振には、国際的な競争力の低さと共に、隣国アルゼンチンの経済危機が影響。アルゼンチンは現在、米国最高裁からの債務返済命令によってデフォルトに陥る可能性が取りざたされており、同国への工業製品輸出は昨年より困難になる可能性が強まった。