世界保健機構(WHO)が23日、サンパウロ州カンピーナス市のヴィラコッポス空港で3月に行った下水検査で急性灰白髄炎(ポリオ)のウイルスが検出されたと発表した。
24日付エスタード紙によると、ブラジル内でのポリオは25年前に絶滅が宣言されており、発見されたウイルスは、飛行機の搭乗員や旅行客が持ち込んだものと見られている。WHOによると、発見されたウイルスはアフリカの赤道ギニア共和国で発見されているウイルスと同種だという。
脊椎の灰白質が炎症を起こすポリオは、はじめの数日間は胃腸炎のような症状を呈す。その後は1%以下の確率で左右非対称の弛緩性麻痺を起こす事がある。
サンパウロ州でのポリオウイルスの検査は1999年以降、クンビッカとコンゴーニャス、ヴィラコッポスの3空港、チエテとバラ・フンダのバスターミナル、サントス港周辺で定期的に実施されている。ウイルスが検出されたのは3月だが、4月の検査ではウイルスは検出されていない。
WHOは今回のウイルス発見は単発的なもので、感染の危険性は非常に低いと発表したが、25日付エスタード紙は、カンピーナス市保健局は州保健局と会合を行い、対策を協議する意向であると報じている。
サンパウロ州保健局では、今回のウイルス発見は単発的なもので、同州でのポリオの予防接種の実施率も95%と高いので、州の対策に変更が生じる可能性はないとしている。