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「日本移民の日」を祝して=在サンパウロ日本国総領事 福嶌教輝

 「日本移民の日」を迎えるに際し、ご挨拶申し上げます。
 日本人のブラジル移住が106周年を迎えたことを、皆様方と共に喜び、心より祝意を表します。
 そして、祖国日本を離れブラジルに移住し、幾多の苦難を乗り越えた末に今日160万人とも言われる日系社会の繁栄へと繋がる道を切り開いてこられた先人の方々に深い敬意を表すると共に、ブラジルの大地に眠る多くの開拓先亡者の方々に対し、衷心より哀悼の意を捧げます。
 着任以来、サンパウロ州を始め、マット・グロッソ州、南マット・グロッソ州の各移住地を訪問させて頂きました。それぞれの移住地では、言葉では言い尽せない苦闘の歴史がそれぞれに語り継がれており、その声を直接伺ったことは、私の貴重な財産となっています。
 改めて106年という歴史の流れの中で連綿と続いて来た日系社会の歴史を、感慨を持って受け止めることができました。このように新天地ブラジルで一世紀という年月を超えてきた先人の遺徳を受け継ぎ、成功への弛まぬ強い希望と情熱を持った皆様方に改めて敬意を表します。
 さらには、どの地域におかれても、日本文化の伝承及び日系子弟への熱心な教育に取り組まれている姿に感動いたしました。これからの世代を担う子供たちが、日系人という誇りを持って教育を受け、日伯両国の社会で大いなる活躍をされることを願っています。
 このように日系人の皆様はブラジル社会において確固たる信頼と実績、高い評価を得ているのは、ひとえに皆様方のご努力の結果であり、ブラジルだけでなく世界における日本の地位向上に大きく貢献されているものと誠に嬉しく感じます。
 また、日系人の皆様は、ブラジルの政治、経済、科学技術、学術、文化、スポーツ等あらゆる分野で活躍され、ブラジルの発展にも大きく貢献し、ブラジル国内において確固たる地位を築かれておられます。この106年の歴史を通じ、着実にこのような立派な日系社会を築かれたことに心から敬意を表するものであります。
 正しく現在、2014FIFAワールドカップが開催されており、日本代表団及び邦人サポーター等に対する当地日系社会をはじめ、ブラジル全土の日系社会の皆様より心のこもった温かいご支援を得て、ボランティア活動や様々な記念イベントが開催されています。
 日本代表は、このブラジルの地で世界各国の代表を相手に戦いを繰り広げていますので、大いなる活躍を願い、皆様と共に応援してゆきたいと思います。
 これを機会に、今世界中が注目するブラジルにおいて、経済、文化、スポーツ、学術等の多くの分野において日本との交流をさらに深め、日伯両国の絆がさらに強まっていくことを願っております。
 結びに、改めて先人のご遺徳を偲び、皆様方お一人おひとりのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げると共に、日系社会の益々のご発展を願い、ご挨拶とさせていただきます。