ブラジル社会党(PSB)は6月28日、党首のエドゥアルド・カンポス氏がマリーナ・シウヴァ氏を副候補として10月の大統領選に出馬することを正式に公認した。党大会での両者は、大統領選でライバルとなるジウマ大統領の労働者党(PT)とアエシオ・ネーヴェス氏の民主社会党(PSDB)の批判を行なった。6月29日付伯字紙が報じている。
ブラジリアで開かれたPSBの党大会で、カンポス氏はマリーナ氏を従え、大統領選に出馬する意向を正式に表明した。その決意表明演説でカンポス氏は、自身が大統領に選出されたあかつきには税制改革を行ない、インフレ率を下げ、経済を活性化させることを約束した。
また、ジウマ政権が行なっているProUni(私学生向けの奨学金制度)やミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダなどは自身も継続して行いたいとしながらも、「ジウマが招いた衰退から国民を救いたい」と語り、現大統領を名指しで批判した。
また、1995年以来、PSDBとPTのあいだで20年にわたって続いている「二大政党時代」に終わりを告げたいと語った。カンポス氏の批判は特に大統領選での政党間の連立獲得合戦に向けられた。カンポス氏はジウマ大統領が共和党(PR)の支持とそれに伴う政見放送での時間枠欲しさに、入札事業などで実績をあげたセーザル・ボルジェス運輸相をPRの要請で異動させたことを批判した。
同様の批判はアエシオ氏にも向けられた。カンポス氏は、アエシオ氏がPT支持の党がPSDBに鞍替えするのを望んでいるかの最近の言動を受け、「そうした政党獲得合戦を美しいと思っているのかもしれないが、受け入れがたい」と語っている。
そのPSBは国政でこそ2大政党には組みしないが、州知事選挙ではリオでPT、サンパウロ州でPSDBと連立を組むことになっている。こうしたPSBの方針に関してカンポス氏は、「ブラジルの力となりうる個人や党であるなら話には応じている」と語った。
PSBの党大会と同じ日、サンパウロ州ではPSDBがジェラルド・アウキミン知事の再選に向けての出馬を正式に公認した。また、PSBは同日、サンパウロ州支部長のマルシオ・フランサ下議をアウキミン氏の副候補とすることを発表した。かねてからPSDBに強い抵抗感を示すマリーナ氏はこの案に反対し、PSBから独自候補を出すことを主張していた。
この件に関してはPSB党大会でのマリーナ氏の発言も注目されたが、マリーナ氏が「私とカンポス氏の関係が最も危うくなったのは、私用の特別メニューの食事があやまってカンポス氏に渡ったときだ」と語ったのに対し、カンポス氏が「あんなものを食べるくらいなら関係は終わりだ」と冗談で答え、サンパウロ州の問題が既に解決したものであることをうかがわせた。
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