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ニッケイ法律相談=その44=回答者 古賀アデマール弁護士

 質問=小さな家を人に貸しています。2012年3月5日から2015年3月6日までの3年契約なのですが、昨年7月から家賃が支払われていません。どうしたらいいのでしょうか。
 回答=弁護士に頼んで、一刻も早く裁判にしないとますます損をすることになります。契約期間が終わっていなくても家賃を払っていないのですから、裁判にすれば数カ月で追い出すことができます。
 追い出した後、滞納された分の家賃も取り立てることができます。家賃支払いの保証には3つの方法がありますが、どの方法で保証するかは借家契約書に書かれていますので、それを確認してください。
 保証の方法には(1)フィアドール(保証人)を立てる、(2)3カ月分の家賃を積み立てる、(3)保険(セグーロ)に入る、の3つがあります。(1)だった場合、その保証人から全額を受け取ることができますが、(2)ですと全額は無理で、3カ月分の家賃しか取れません。法律でそう決まっているのです。(3)であれば、もし借家人が保険会社に毎年保険料を支払っていた場合は、保険会社から全額受け取れます。保険料が払われていなかった場合は、もちろん保険会社からも受け取ることはできません。
 当然ですが、家賃の支払いが遅れてくると、損害は増えるばかりですので、なるべく早く裁判を起こした方がいいでしょう。裁判は時間がかかるので、長引けば長引くほど、損害は大きくなります。
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 質問=「駐車禁止の場所に駐車をしていた」として罰金を請求されたのですが、全く身に覚えがありません。その間は旅行をしていて、その駐車禁止の場所というのもどこかわかりません。どうすればいいのでしょうか。
 回答=違法駐車の罰金を請求されたということですが、請求する前にはもちろんその車の車種やナンバープレートなどが調べられているはずです。
 もし本当に身に覚えがないなら、それに対するそれだけの証拠がないといけません。つまり、その車を使って旅行をしていたことを証明する必要があります。
 例えば、旅行先で滞在していたホテルの駐車場の領収書などが証拠となるでしょう。この場合、証人は認められません。
 もし証拠がなければ裁判をしても負けます。罰金を支払うしかありません。

 質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。