第20回W杯も残すところ10日となり、今日からは準々決勝が始まる。4会場は6月26日までのグループリーグでW杯の試合が全て終了したが、12会場の中には無用の長物(エレファンテ・ブランコ、白い象)と化す可能性のあるものもあり、今後の対応が問われている。
6月29日付エスタード紙は、W杯の試合が終わったクリチバのアレーナ・ダ・バイシャーダ、マナウスのアレーナ・ダ・アマゾニア、ナタルのアレーナ・ダス・ドゥナス、クイアバのアレーナ・パンタナルの現状を取り上げた。
クリチバのスタジアムはアトレチコ・パラナエンセのものだが、見積もり額1億3500万レの工事費は3億3千レに膨れ上がり、クラブだけでは負担しきれない。クラブ側は州や市の援助を仰いでいるが、交渉は難航中の上、クラブが利用しやすい様に回収する必要もある。
総工費6億7千万レのマナウス会場は州の財産だが、メインテナンス経費は年600万レ。年間6~7カ月は雨が降り、湿度も高いため、大型イベントの企画も困難だ。運営だけ民間企業に託すか運営権委譲のための入札を行うかを検討中で、犯罪者仕分けセンターにとの声も出ている。
ナタルの会場は仮設座席を外して収容人数を3万1千人とするが、同州のクラブは小規模で上半期の集客数は6千人強。今後20年間の運営は州政府と民間企業の合同プロジェクトで、国際的な大型イベント開催などに活路を見出す意向だ。
アレーナ・パンタナルは、今後の運営権を委譲するための入札手続きを6月26日に開始。州政府関係者は、W杯がなければ手付かずだったはずの工事も行われ、W杯は有益だったと主張。全国選手権の試合の開催を求めるなどして、白い巨象化を防ごうとしている。
事前の調査では、白い巨象と化す可能性が指摘されたスタジアムには、全国選手権での集客数は8500人程度のブラジリアのマネ・ガリンシャの名前も出ている。レシフェのアレーナ・ペルナンブコは、ナウチコなどの著名チームが当てにできるが、その他の企画が必要なのは同様だ。
各会場が満杯となる回数の予想は、アレーナ・コリンチャンスの年13回が最高で、ポルト・アレグレのベイラ・リオが11・1で続くが、それ以外は10回を切っている。特にアマゾニア、ドゥナス、マネ・ガリンシャ、パンタナルの4会場は、3・2、1・5、0・9、0・8で経営難が予想される。
タグ:W杯 コリンチャンス 写真ニュース クイアバ アマゾニア クリチバ