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人文研 研究例会、10日=亜国の一世文学テーマに

 サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)が10日午後6時半から、文協1階13号会議室(Rua Sao Joaquim, 381)で研究例会を行う。講師は国際日本文化研究センター教授の細川周平さんで、テーマは「アルゼンチン一世の文学活動―増山朗の『グアラニーの森の物語』を中心に」。
 20世紀初頭から移民が始まったアルゼンチン。ブエノスアイレス近郊に共同体を作り、1910年代には邦字紙も存在したが戦争で中断され、戦後は呼び寄せを中心に細々と続くに留まった。
 今回取り上げる増山朗さん(北海道、1919―2006年)は、89年に首都で結成された文芸サークル「巴茶媽媽(パチャママ)」(アイマラ語で母なる大地の意)の中心人物で、『グアラニーの~』は同誌に連載され、亜国唯一の長編日本語小説となった。
 前半は斡旋者の田中誠之助による入植地選定、後半は実在一家の日本出発から定住までと二分され、実話を通し作者の移民観、開拓観が描かれている。今発表ではこの小説を読みながら、ブラジル移民の小説と比較を行う。
 問い合わせは人文研(11・3277・8616)まで。