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元受刑囚が手工芸品制作=社会復帰の一方策として

 麻薬密売で3年間刑務所に入っていたクラウジア・フェレイラさん(45)は、2009年に出所以来、手芸品作りで知られるようになり、その作品がW杯会場都市の一つで売られている。
 クラウジアさんは他の元受刑囚9人と共に、パラー州ベレンにある非営利団体「ファブリカ・エスペランサ」で働いている。彼女達が作る手工芸品は、端切れなどを使って作るネックレスやキーホルダー、Tシャツ、ティアラなどだ。
 ファブリカ・エスペランサはパラー州政府が元受刑囚らを労働市場に取り込むために導入したもので、ここで働く人達は皆、零細・小企業支援サービス(Sebae)でトレーニングを受けており、彼女達の作品はベレンの国際空港でも売られている。
 クラウジアさんは、麻薬密売で捕まった夫の弁護士代を払うための金を作ろうとして、麻薬密売に手を出し、夫婦そろって刑務所に入る事になってしまった。
 クラウジアさんには12、15、19歳の3人の子供がいる。ファブリカ・エスペランサでの仕事は家族を養い、今後の歩みを考えるために大きな役割を果たしているという。基本給は最低賃金一つ分だが、残業をすれば収入も増える。
 夫も既に出所して大工の手伝いをしており「現在は誰の目も気にする必要もなく、警察を恐れる必要もない、普通の生活を送っている」というクラウジアさんは、より高いレベルの縫製技術を身につけ、独り立ちしたいという。
 クラウジアさんは既に一度独り立ちを試みた事があるが、上手くいかなかったという。「みん何でも知っていると思いたがるけど、本当はそうじゃない。覚えなくてはならない事は山ほどある」と話す口ぶりには、5年に及ぶ訓練から来る確信が窺われる。
 2013年4月に出所したロゼリイ・オリヴェイラさん(29)は、6カ月間ファブリカ・エスペランサで働いている。勉強や仕事もすべて、子供達のためだったというロゼリイさんは麻薬密売で5年間刑務所に入っていたが、ファブリカ・エスペランサが人生を変える機会を与えてくれた。
 現在は新しい講座を受け、労働市場にとどまり続けたいと考えており、「人は時間と共に成長するもの。自分が作った作品やそれがあちこちで売られているのを見ると、誇りを感じる」と証している。
 ファブリカ・エスペランサは、元受刑州らの生活を支え、再び犯罪を起こす事がないよう助けてくれる。2006年の時点では、出所後に地元で働いていた元受刑囚153人の7・19%が再び犯罪を犯したが、2014年は出所後に働いている元受刑囚257人の中で再び犯罪を犯したのは0・39%のみだった。
 パラー州の元受刑州の作品はベレンの国際空港で7月一杯展示即売されている。W杯期間中はサンパウロ市とリオデジャネイロ市のショールームでも全国の元受刑囚の作品の展示即売会を開催。ベロ・オリゾンテでも7月27日まで展示即売されている。
 サンパウロでの展示即売会場はレプブリカ区コロネル・シャヴィエル・デ・トレド街23番のショッピング・ライトで13日まで。リオはボタフォゴ区のラウロ・ムレール街116番のショッピング・リオ・スルで15日まで。ベレン国際空港での展示即売は31日までの8時から21時まで。(3日付G1サイトより)