4日のサッカーW杯準々決勝で腰椎を骨折し、W杯の残りの試合への出場が絶望的となったネイマールをめぐり、この週末はブラジル全体が大騒ぎとなった。5~7日付伯字紙が報じている。
4日の対コロンビア戦の後半終了間際、背後から相手ディフェンダーのスニガの飛び膝蹴りを受けたネイマールは、倒れたまま起き上がれず、泣き叫びながら担架で運ばれた。診断結果は第3腰椎の横突起の骨折で、全治には6~8週間かかる見込みだ。腰椎骨折は下半身不随などを起こしかねないが、ネイマールの場合は幸い、手術の必要もなく治る見込みだ。
チームドクターのジョゼ・ルイス・ルンコ氏によると、ネイマール骨折との報を聞いたブラジル代表(セレソン)メンバーは大きなショックを受け、多くが泣き、まるで敗戦したチームのようだったという。選手たちはネイマールも共に5日未明にリオ州テレゾポリスにある合宿所グランジャ・コマリーに戻り、セレソン担当の心理カウンセラーのレジーナ・ブランドンさんもかけつけた。
ネイマールの容態を気づかっていたチームメイトは、骨折と知らされた直後のインタビューで次々にネイマールにメッセージを送った。キーパーのジュリオ・セーザルは「僕たちは彼がどんなにW杯で輝きたかったか、国民を喜ばせることを幸せに思っていたかを知っているだけに本当に悲しい」と語った。センターフォワードのフレッジも「ネイマールを喜ばせるために僕たちは全力を尽くす」と答えた。
ネイマールは5日、ブラジル・サッカー連盟(CBF)の公式サイトにビデオ・メッセージを送り、「僕はこの後のW杯の試合には出られなくなった。でも、僕の夢はまだ終わっていない」と語り、セレソンの仲間に優勝の望みを託した。同選手は同日午後、ヘリコプターでサンパウロ州海岸部グアルジャーにある自宅に帰った。
ブラジルのメディアはネイマール負傷の報が流れた4日夜から6日にかけて、テレビやネットもネイマール一色となった。その間、「決勝戦なら出場できるのでは」「ネイマールは出場したがっている」との情報も流れたが、ルンコ医師はその可能性を否定している。
セレソンの次の試合は8日午後5時からの準決勝で、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテのミネイロン・スタジアムでドイツと戦う。ネイマールに加え、主将で守の要のチアゴ・シウヴァもイエローカード累積の出場停止と苦しい状況だが、準々決勝は出場停止だったルイス・グスターヴォが復帰。フェリポン監督は戦術の大きな変化を否定している。ネイマールの代役はウィリアンが有力視されている。