ブラジル日本都道府県人会連合会(本橋幹久会長)主催の『第17回日本祭り』がサンパウロ市イミグランテス会場で4~6日にあった。W杯と日程が重なったことで人出を危ぶむ声もあったが、前年同様、約18万人が来場した。特設舞台では太鼓やダンスなど約100演目が披露され、ミスニッケイコンテスト、コスプレ大会も行われ来場者を楽しませた。43都道府県のブースでは郷土食約300品目に大行列ができ、160社・団体が出展した。
4日午前11時からの開会式には、日系団体、スポンサー企業代表者、安部順二、大田慶子、飯星ワルテル連邦下議らも来賓として参加し、それぞれ祝辞を述べた。
挨拶に立った本橋会長は「一度に様々な郷土料理を楽しめる場所は日本にもない。日本祭り、弥栄!」と拳を突き上げ、開催を祝した。
全国の郷土食が一堂に会した「食の広場」は連日大盛況。毎年、郷土食を目当てに家族で来場しているというヴァニアン・セキネさん(31、三世)は「今年は東京の牛丼と宮崎のチキン南蛮が美味しかった」と満足気。
初めて来場したルイス・カルロス・メーロさん(31)は、友人6人と食の広場を巡り、からし蓮根や海鮮焼きそば、大山おこわ、広島お好み焼きなどを堪能した。「文化と料理を一度に楽しめる素晴らしいイベント」と話した。
生け花や茶道など多くの日本文化体験スペースが設けられ、初めて書道教室に参加したリカルド・クベロさん(34)は「集中力と繊細さ、勢いも必要で難しい。普段使わない筆で、初めて知る漢字を書く。非常に新鮮」と笑顔を見せた。
特設ステージでは、沖縄民謡や安来節などの伝統芸能からヒップホップダンスやコスプレ大会まで、三日間で約100演目が披露され来場者を楽しませた。日本から招かれた「Zoomadanke」がけんだまでパフォーマンス、アカペラバンド「INSPi」のステージ中、客席で立ち上がり踊っていた松尾キョウコさん(72、二世)は「二日連続で楽しめた。踊りたくなるほど上手」と満足した様子。
本橋会長は「今までの積み重ねで日本文化が根付いたのか、年々ブラジル人来場者が増えている」と喜んだ。
白熱勝負! コスプレ大会=優勝者は世界大会へ
来年日本で行われる「ワールド・コスプレ・サミット」の出場権を賭けたコスプレ大会が、日本祭りの最終演目として行われた。衣装だけでなく、原作のシーンを再現する派手な演技も注目を集め、満場となった会場は大いに沸いた。
コスプレとは、漫画やゲームの登場人物に扮する「コスチューム・プレイ」の略称。漫画・アニメ・ゲームの人気の高まりに伴い、当地でも益々愛好者が増えている。
優勝したのは、テレビゲーム「ファイアー・エムブレム」の登場人物を演じたディエゴ・ペレイラさん(25)とフェルナンド・エンリケ・メデイロスさん(22)=マット・グロッソ州=。今年で3回目の出場という二人は「勝てるとは思わなかった。凄く嬉しい。ブラジル代表という責任を感じる」と喜びを語った。
審査員を務めた国際交流基金サンパウロ日本文化センター・深沢陽所長は「コスプレが多くの人に受け入れられていると実感した。日本文化の一つとして認識を改めなければ」と話した。