日本祭りの屋内展示場であった『富士山写真展~世界文化遺産になった日本人の魂と文化』には、多くが訪れた。富士山の世界文化遺産登録1周年を記念し、ニッケイ新聞と静岡新聞(本社・静岡市)が共催した。様々な表情を捉えた40点は、日本、日系、ブラジル人全ての心を捉え、写真の購入を希望する人、詳しい説明を求める人、記念撮影を行う人など、高い関心を呼んだ。在サンパウロ日本国総領事館と富士山を世界遺産にする国民会議の後援、国際交流基金サンパウロ文化センター、HOTMA、イカイ(沼津市)が協賛した。
「モンテ・フジの名前は知っていたけど、これほど凄いとは…」と驚いた表情を見せるのは、タイス・アウレリアーノさん(21)。母のルシアさん(50)も「本当に綺麗。もっとこの山のことを知りたい」と興奮気味に話し、共に訪日を誓っていた。
ソロカバ市のトヨタ自動車の工場で働くフランシスコ・エリオリさん(30)は、「訪日旅行を考えていたけど、行先の一つに静岡を加えたい。直接自分の目で確かめたい」。
14歳で移住し、グァタパラ移住地に住む吉永利行さん(65、佐賀)は、「7年前に帰国した際、御殿場市まで行ったけど天候不良ではっきりと拝めなかった。これが私にとっての初富士。念願叶いました」と笑顔を見せた。
名古屋市で2年間働いた経験がある藤永エドワルドさん(23、二世)は、「東京に向かう電車の中で見た衝撃が今も忘れられない。改めて様々な富士山が見られたのは本当に嬉しい」と感慨深げ。
旅行会社に勤務し、ブラジル人旅行者を連れて毎年富士山を訪れる松村照明さん(71、熊本)も、「これだけ様々な角度で富士山を見られる機会はない。素晴らしい企画」と太鼓判を押した。
今回の企画で初来伯した静岡新聞・営業局広報センターの大林寛副部長(46、静岡)は、「日本をテーマにしたこれほどのイベントが行われているとは」と日本祭りの規模に驚き、「富士山を誇らしく思うとともに、ブラジルの人に静岡を身近に感じてもらえれば」と嬉しそうな表情を見せていた。