6月以来、一般ニュースまでW杯ほぼ一色で、他のイベントも見事にない。そんな時にも関わらず、先週末サンパウロ市で日本祭りが行われた。20万人近くが訪れる、地元主催では世界最大級の日本文化イベントだ。
そこで静岡新聞社と共に富士山写真展を開催したら、ブラジル代表の試合時間ですら会場には人だかり―という予想外の展開に。「例年より人が多い」との声まで聞く。市民の大半はW杯を堪能しているが、2千万サンパウロ大都市圏住民には、そうでない人もかなりいることが分かった。
「ボールを使った格闘技」的なサッカーは、欧米が持つ肉食系文化の特徴を持つスポーツだ。いくらステーキが好きな人でも一カ月以上、毎日それだけだったらウンザリする。たまにはサッパリしたお茶漬けでも食べたい気分になる。そんなW杯に飽きた人、元々興味ない人がこぞって会場に足を運んでいるらしい。
清々しい霊峰写真の前で嬉しそうに記念撮影するブラジル人を見ながら、日本文化自体がどこか草食系的だと感じた。(ニッケイ新聞・深沢正雪)
タグ:W杯 サッカー ブラジル代表 日本祭り サンパウロ ニッケイ