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宴が終わったその後は?=懸念される抗議行動再燃=W杯2試合の警備も厳重化

 W杯準決勝でブラジル代表大敗を喫した8日夜、サンパウロ市やベロ・オリゾンテ、クリチバなどで暴力行為が起き、連邦政府がW杯の残りの試合の警備の強化を打ち出したが、W杯終了後は暴力行為を伴う抗議行動の再燃も懸念されていると9、10日付伯字紙が報じた。
 ブラジル代表がドイツ代表に7対1という大差で敗れた8日は、試合中や試合後に複数の都市で暴力行為が見受けられ、逮捕者も出た。
 最も大きな被害が報告されたのはサンパウロ市で、市南部グアラピランガにあるバス会社VIPの車庫では、ガソリン入りの容器が投げ込まれたのか、バス19台が全焼、1台が半焼した。また、南部と東部、北部では走行中のバスが焼き討ちされ、計26台が被害に遭った。
 また、同市東部サンマテウスでは、試合終了から20分後に強盗と化した人々がポント・フリオを襲撃し、電気電化製品などを奪い去った。警察は現場近くで成人2人と未青年者4人の身柄を拘束したが、本人達は何十人もの人が犯行に参加したのを見たが、自分達は盗んでいないと供述している。ゴミや家具でジャク・ペッセゴ大通りの一部を封鎖し、放火した一団もおり、サポペンバでも乗用車2台が焼き討ちされた。
 パラナ州クリチバでもバス強盗が物品を奪った後に放火するなど、最低3台のバスが焼き討ちされ、投石などを含めると21台が被害に遭った。
 ベロ・オリゾンテでは前半途中に試合会場内で喧嘩が起きたのを始め、偽の入場券を持っていた外国人逮捕などの混乱が起き、バールのある地域での混乱収集にはガス弾も利用された。同市では同日中に17人が身柄を拘束された。ファンフェスタ会場での窃盗行為はリオ市やサルバドールなどでも報告された。
 連邦政府は9日、13日にドイツ対アルゼンチンの決勝戦が行われ、ドイツやロシアなど最低10カ国の首脳が集まる予定のリオに500人、12日に3位決定戦が行われるブラジリアに300人の兵士増強を発表。10日にはより具体的な対策も確認された。
 サンパウロ市ではブラジル人がアルゼンチン人を脅迫した例があり、サンボドロモでキャンプ中の亜国人に夜間外出を控えるよう指示が出、軍警や市警備隊も特別体制を敷いた。
 警察は8日の暴力行為は想定外としているが、ブラック・ブロックがW杯終了後に行動を起こす予定との情報は既に把握済みだ。社会運動家や労働組合などはW杯開催で一時的に収束した抗議行動や賃上げ交渉を再開する事を公言しており、地元での試合終了後は既に3日間バスのストが続いている都市もある。