リオでW杯の決勝試合が華々しく行われた13日午後、市北部チジュカ地区のサエンス・ペナ広場で、400人が参加するデモが起きた。同広場はマラカナン・スタジアムから約2キロの場所にあり、少なくとも5人が身柄拘束、マスコミ関係者11人が軍警に攻撃されたと14日付地元紙が報じた。
報道によれば、広場付近のオコンデ・デ・ボンフィン大通りでデモ行進が始まったのは午後3時で、その20分後に軍警は催涙ガスを発射。デモ隊は機動隊と騎馬隊に取り囲まれ、広場と同名のメトロの駅まで追い込まれた。
騎馬隊が活動家に向かって攻撃する横では、子供を抱えた女性が助けを求めて走る姿も見受けられた。また、警棒で攻撃されたデモ隊のメンバーが地面に座らされる場面もあった。
報道関係者への暴力は、午後5時頃、若い女性が押し倒された上、引きずるようにして身柄を拘束された様子などを撮影しようとしたことが契機となった。活動家らは「軍政だ! 自分を捕まえても意味がないぞ! 今の政府は倒れる!」などと叫び、別の道に逃げ込んだが包囲され、攻撃された。
撮影技師の男性は警棒で殴られて腕を骨折して病院に運ばれ、カメラマンの男性は蹴られたり顔を警棒で殴られりしたが顔を覆面で覆っていたため大怪我は免れた。またカナダ人ジャーナリストの一人は殴る蹴るの暴行を受け、脚を負傷しカメラを奪われたという。
W杯大会中のデモとしては、開幕日に起きたサンパウロ東部のラジアル・レステでのW杯反対デモで31人が逮捕され、15人が負傷。23日に同じくサンパウロで起きたデモでは、警察がブラック・ブロック(顔を覆って暴力行為を働く集団)のメンバーと思しき2人を逮捕した。また28日には、同じリオのサエンス・ペナ広場で300人が参加するデモが起き、爆発物などが押収された。
13日のデモ中に起きた軍警による暴力行為に関して、リオ州保安局は「監査部門で調べる」としており、ルイス・フェルナンド・ペザン州知事はコメントを避けた。(14日付エスタード紙より)