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ブラジリアに到着したプーチン大統領を迎えるジウマ大統領(Wilson Dias/ Agência Brasil)
ブラジリアに到着したプーチン大統領を迎えるジウマ大統領(Wilson Dias/ Agência Brasil)

BRICS会議始まる=新開発銀行や基金も発足=14日には伯露首脳会談も

 新興国の雄とされるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国)の首脳会議が15、16日にフォルタレーザとブラジリアで開催される。
 今回の会議に関連する情報は10~14日付伯字紙に連続掲載されているが、最も注目されているのは、BRICS諸国が出資する新しい開発銀行の発足と、緊急時のための基金の創設だ。
 新開発銀行は5カ国が共同出資した100億ドルを資本として発足する事になっているが、発足時の資本額は500億ドルになる可能性がある。積極的な投資受付で1000億ドルの巨大銀行となる可能性も秘めた新開発銀行は当面は中国を拠点とする見込みだ。
 ギド・マンテガ財相によると、BRICSの開発銀行の貸付額は第2次世界大戦後に開設された世界銀行の5分の1程度となる予定で、出資国内の経済危機対策費としての1000億ドル規模の基金も創設される。
 新しい開発銀行と緊急時のための基金開設は、先進諸国に反旗を翻すだけと見られがちで、かつてのような勢いがなくなった感もあるBRICSが本格的な経済グループとして活動するための足がかりとなる。
 開発銀行の発足は首脳会議が持たれる15日に宣言される。今回の会議は15日がフォルタレーザ、16日はブラジリアと変則的だが、会場の変更は16日に来伯する南米諸国の首脳達を迎えるための部屋数を確保できないのが原因だ。
 南米諸国の首脳来訪はラ米諸国との関係を強化したい中国の意向を汲んだもので、ブラジルとの関係前進をラ米での市場拡大に繋げたい中国と、最大の貿易相手国の要請に応えたいジウマ政権の思惑が交錯している。
 ブラジルが用意した共同宣言の原文には持続可能な成長や社会統合、雇用創出といった内容も盛り込まれて、14日の閣僚級会議でも再検討の上、首脳会議に提出される。
 14日はロシアのプーチン大統領とジウマ大統領の個別会談も行われ、新開発銀行や国際通貨基金の変革について話し合われた。プーチン大統領には、BRICS首脳会議によりロシアが孤立していない事を示す事も大切な課題だ。今回の声明ではウクライナ問題とは明言しないものの、国連総会の承認を受けない制裁は不当であり、外交的な対話による平和的な解決を目指すべきとの文言が盛り込まれる予定だ。
 ブラジルはBRICS諸国への肉の輸出など、貿易面の活性化を図りたいところだし、南アフリカは困窮した経済の建て直しに他国の協力を仰ぎたいところ。国内消費の推進が課題のインドの新首相がどのような演説を行なうかも注目されている。