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消費の中心は上流階級に=Cクラスの購買力が低下=インフレと負債が影響か

 ニールセン社が1~4月に行った小売店の売上げ動向調査によると、09年以降5年間の消費成長を支えてきたCクラスがABクラスにその座を譲ったと13日付フォーリャ紙が報じた。
 09年といえば、08年に勃発した国際的な金融危機によるリセッション(景気減退)からブラジルがいち早く抜け出し、世界中を驚かせた年だ。この時の景気回復を支えた鍵は一般消費で、同年の消費財の売上げ伸張に果たした比率は、ABクラス18%、Cクラス60%、DEクラス22%とされている。
 10年はこの比率が18%、48%、34%となり、ルーラ政権のボルサ・ファミリア(生活扶助)導入による低所得者層の購買力向上や、低所得者がCクラスに移り、新興中流階級が増えた事などを示している。
 景気減速が表面化した11年の比率は26%、40%、34%で、上流階級の比率が増えたが、景気刺激のための減免税などが行われた12年は10%、51%、39%で、中流階級や低所得者層の消費財購入が再び増えた事を示している。
 ところが、景気減速が長引き、雇用創出のペースも落ち始めた13年はこの比率が35%、49%、16%になり、低所得者層の購買力の伸び悩みが顕著となった。今年1~4月の調査では、この比率が60・9%、33・8%、5・3%となり、中流階級も消費拡大を支えられなくなった事が明らかとなった。
 低所得者層や中流階級が消費の拡大を支えられなくなったのは、インフレや負債を抱える家庭の増加で、より安い品を探す、購入数を減らすなどの自衛策を採り始めたのが主な原因だ。
 1~4月はスーパーに行く回数が3・6%減ったが1回の買物額は8・2%増え、消費も7%伸びた。消費が最も伸びたのは生鮮食料品の14・5%で、外食を止め、家で食べる人が増えた事が窺われる。欲しい品が値上りする前の纏め買いはインフレ昂進時によく見られ、中流階級の人が高額商品や新しい品に飛びつく傾向も減った。
 中流階級での衛生用品や化粧品の売上げはほぼ同じかやや減程度だが、15日のテレビ番組は、45カ月前と同じ品を同じ店で購入したところ、152・25レアルが245・21レアルにつき61%高と報じた。同期間中の公式インフレ率は26・88%だが、この時の買物では、小麦粉186・05%、生クリーム134・23%、マグロをほぐした缶詰108・43%、トマトソース99・2%、米85・26%など、生活必需品が大きく値上りした事が確認された。