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世界4位は最悪の結果か

 ブラジル代表が準決勝で大敗を喫した晩、サンパウロ市南部では何の罪もないバスが、なんと20台以上も焼かれた。
 次の晩、訪日予定の戦後移民と飲んでいたら、「日本代表が本領発揮できなかった原因をもっと追究すべきだと、故郷の友人に言おうと思っていたのに、ブラジル代表があのザマじゃ何にも言えないよ」とボヤいた。
 例の試合を当地新聞は「百年間で最悪の試合結果」「自国開催で歴史的屈辱」といった刺激的な見出しで報じた。会見で厳しく責任追及するジャーナリストに怒ったスコラリ監督は、「私のやり方が気に入らない奴は地獄に墜ちろ」と言い放ち、翌日のリオ地元紙の一面には「地獄に行くのはお前だ、フィリポン(監督の愛称)!」との大見出しが躍っていた。
 4位がさも「最悪の結果」のように真剣に論じる皆さんにはまことに申し訳ないが、口角泡飛ばす様子自体が、どこか微笑ましい。教育や医療の向上にも、それぐらいの熱意があれば、今頃はサッカー以外でも世界一位なっていただろう。(ニッケイ新聞・深沢正雪)