第6回BRICS首脳会議は15、16の両日に開催され、15日のセアラー州フォルタレーザでの会議ではBRICS銀行発足に関する詳細が決まった。ブラジルは総裁国となることを望んでいたが今回は総裁国をインドに譲り、経営審議会の議長国になるにとどまった。16日付伯字紙が報じている。
15日の会議での主な議題は、BRICS開発銀行と共同分担準備基金(CRA)の設立だった。BRICS諸国はこの件について2年間話し合ってきたが、この日に至っても各国にはそれぞれの思惑があった。ブラジルはBRICS開発銀行総裁を狙い、インドは総裁の座とニューデリー本部を置くことを願ったが、中国が現在の世界の金融で大きな位置を占める上海に置くことを譲らなかった。
結局、新開発銀行総裁国はインドとなり、本部は上海に置くことに決まった。発足は各国議会が承認後で、2016年になる見込みで、最初の資本金は500億米ドル。最終的には1千億米ドルに達する予定だ。
また、ブラジルはBRICS開発銀行の経営審議会議長国となり、南アフリカ共和国が最初の支店国となることと、ロシアは同銀行理事会の監査役となる5カ国の閣僚会議の議長国に就任する。
ジウマ大統領はBRICS開発銀行の総裁職を逃したことに関して「最初に新しい開発銀行の設立を提案したのがインドだから仕方がない」と語り、「銀行の設立を最優先した」として、各国の意見の相違で設立が先延ばしされるのを恐れたことをうかがわせた。
経営審議会は投資計画など、重要案件に関しては強い決定権を持つが、総裁国が常時銀行の管理を行なうのに対し、経営審議会は常時ではない。
だが、同銀行の総裁職は「5年に1度の持ち回り」で、ブラジルはインドの次の2番目(以後、ロシア、南ア、中国と続く)を確保した。また、南アフリカに次ぐ2番目の銀行支店はブラジルに作られることになるという。
また、BRICS参加国の企業が他の参加国に進出し、同銀行からの融資を受ける場合は現地通貨での融資を可能とすることも確認された。「既存の銀行はどこも、基幹構造(インフラ)部門の工事に必要とされる投資額を満たすことができないが、BRICS開発銀行は既存の銀行では不足する部分を補ってくれる」とギド・マンテガ財務相は語っている。
15日の会議では、シリアやウクライナの国情や、ガザ紛争といった国際問題にも触れた「フォルタレーザ宣言」も発表された。その中でもっとも字数を要したのがシリア問題で、宣言は同国での行為を人権問題と捉えながらも「対話による平和的解決を望む」とし、緩い言い回しでロシアと中国が支持しているシリアのアサド政権への支持を表明している。
ロシアの干渉が国際問題化したウクライナ問題でもロシアへの批判はなく、同国のBRICS内での立場も保たれたままとなっている。
16日の会議は南米11カ国首脳も加わり、ブラジリアで開催された。