ブラジルとの国境に近いパラグアイのシウダ・デル・エステで14日未明、現金輸送会社の金庫を狙ったと見られる350メートルのトンネルが発見された。
このトンネルはブラジル人男性の名前で借りた民家から掘り進められており、照明や換気設備、電話、作業現場まで通うためのトロッコ用の線路や酸素ボンベなども備え付けられていた。
トンネルが発見されたきっかけは、13日に行われたW杯の決勝戦の最中、花火にまぎれるように起きた爆発によって現金輸送車用の駐車場の一部がくぼんでいた事に気づいた警備員が警察に通報したためだ。地面のくぼみを確かめた警察は、約1メートルの深さの竪穴とそこから伸びる横穴を発見。穴の中からは起重機などの機材が発見されており、民家との間はトロッコで行き来していたと思われる。
トンネルの起点となっていた民家の家主(パラグアイ人)によれば、借家人は6カ月分の家賃として2万5千レアル相当の金を前払いしている。
周到に準備されたはずのトンネルは現金輸送会社の金庫には7メートル足りず、折角の計画が水の泡となってしまった。現地警察によると、16日夜までに容疑者6人が捕まっている。
今回の事件はパラナ州西部のフォス・ド・イグアスーで起きた銀行襲撃事件の犯人が関与したとみられる証拠があり、ブラジルの連邦警察も捜査に協力している。連邦警察は2005年にセアラー州フォルタレーザで起きた中央銀行襲撃事件との類似性にも着目し、三つの事件の関連性を捜査している。フォルタレーザの事件では約1億6500万レアルが盗まれ、世間の注目を集めた。(16日付G1サイト、17日付フォーリャ紙より)