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経済基本金利再度据え置き=景気後退を恐れる中銀=当面はインフレ動向静観か

 中央銀行の通貨政策委員会(Copom)が16日、経済基本金利(Selic)を年11%に据え置く事を決めたと17日付伯字紙が報じた。基本金利はインフレ抑圧の切り札だが、6月までの12カ月間の累積インフレ率が政府目標上限の6・5%を超えた中、基本金利は2度連続の据置きとなった。
 今回の据置きは、4月まで続いた基本金利引き上げによるインフレ抑制効果が出るには時間がかかる、経済活動の減速、消費者や企業家の間で将来に対する不安感が強まり信頼感指数が低下中の3点が主な理由だ。
 基本金利の操作は景気の動向全体を見極めながら行う必要があり、インフレだけに特化して金利を引き上げれば、銀行融資などを利用する際の利息が高くつくため、投資意欲を殺ぎ、経済活動を縮小化させる。
 一方、景気減速だけ見て基本金利を下げれば、融資やローンの利用増加で市場に出回る通貨量も増え、インフレが加速する可能性が強まる。
 現在の中銀はまさに、経済の低成長とインフレ昂進という対極的な状況下での金利操作という困難な状況下にある。委員会後の会見で「当面は」という言葉が使われたのは、状況が動くまで基本金利を据置き、大統領選後の経済政策も見極めてから、更に引き上げるか否かを決めるという意味でとられている。
 ジウマ大統領が就任した2011年以降、ブラジルの経済は年平均2%程度しか成長しておらず、景気減速が言われ始めた11年後半から基本金利の引き下げが始まったが、消費喚起による景気のテコ入れ策は投資不足で需要に追いつけずにインフレを招く結果となった。これにより、一時7・25%まで下がった基本金利は9回連続で引き上げられ、景気回復の芽も摘まれた形となった。
 特にこの1年は経済が停滞し、鉱工業生産が5月まで3カ月連続で減少した上、第2四半期はマイナス成長となる可能性大だ。一部では0・2%成長とされていた第1四半期の成長率も下方修正されるとの声もあり、統計上のリセッション(景気後退)となる可能性が出ているのが現状だ。
 16日には5月の小売り販売は4月比0・5%増との報告もあったが、6月はW杯による休日や営業時間短縮などで売上げは縮小する見込みだ。サンパウロ州では7月前半の売上げは6%減で債務不履行も増加とされ、中銀が17日に発表した5月の経済活動指数では国内総生産(GDP)がマイナス0・18%成長など、厳しい報告が続いている。

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